この講座で身につくこと

準備するもの

AI ツールを 1 つ開いてください。Claude、ChatGPT、Gemini、Copilot ── どれでも可。本講座のすべての PROMPT ブロックは、これらに貼り付けて動かせます。

注意: 業務情報を扱う場合は、必ず会社の AI 利用ガイドラインに従ってください。顧客情報・患者さん情報・未公表データは、ガイドライン未承認の AI に入れてはいけません。本講座は 機密性のない練習データ で進めることを前提とします。

FLOW 1 ── メール下書きを 5 分で書く

1 通あたり 10 分かけていたメール返信を、AI と一緒に書くと 3 分で済みます。

Step 1.1受け取ったメールを AI に共有する

受信トレイから 1 通を選び、内容を AI にコピー。

▶ あなたの作業
これから業務メールの返信下書きを一緒に作ります。 以下が受け取ったメールです: --- (ここに受信メールをコピペ) --- このメールの主旨を、3 行以内で整理してください。 1. 相手は何を求めているか 2. 期限・条件 3. 返信に必要なトーン (公式 / カジュアル / 急ぎ など)
期待: AI が要点を 3 行で返す。これで自分の理解とズレがないか確認できる。
Step 1.2返信の核を箇条書きで伝える

AI に返信させる前に、自分が言いたいことを箇条書きで渡します。これが "AI を制御する" 最大のコツ

▶ あなたの作業
私が伝えたい内容は以下の 3 点です: - (例) 提案は基本的に賛成 - ただし予算条件は要相談 - 来週木曜の打ち合わせで詳細を話したい これをもとに、相手のトーンに合わせた返信メールを 200 字程度で書いてください。 件名も提案してください。
期待: 整った返信案が出る。8 割は使える状態のはず。
Step 1.3最終調整 (人間がやる部分)

AI が出した文面を読んで、自分の言葉になっているか 確認。違和感がある単語、自分が使わない表現を 2〜3 箇所だけ修正。これで完成です。

所要時間: メール本文 1〜2 分 + AI と対話 2〜3 分 = 合計 3〜5 分

FLOW 2 ── 議事録を、会議中に完成させる

会議後に "議事録を後でまとめる" 時間が消えます。AI で会議中に完成させましょう。

Step 2.1会議の音声を文字化する

会議中に PC のメモアプリ (Notion、Apple メモ、OneNote 等) を開きます。多くのツールに音声入力機能があり、リアルタイムで文字化できます。完璧でなくて OK。誤字脱字があっても AI が後で直せます。

あるいは、対面なら録音 → 後で Whisper や ChatGPT の音声機能で文字化。

Step 2.2AI に "議事録" の形にしてもらう

会議の終了直後に AI に渡します。

▶ あなたの作業
以下は会議の文字起こしです: --- (文字起こしをペースト) --- これを以下の形式で議事録にしてください: # 議事録 - 日時: - 出席者: - 議題: ## 決定事項 - (箇条書き、各項目に責任者と期限) ## 検討中の事項 - (箇条書き、論点を明示) ## 次回までの宿題 - (担当者 / 内容 / 期限) ## 自由なメモ (印象、未整理の論点) - ...
期待: 整った議事録が 30 秒で出る。あとは出席者の名前など、AI が間違えやすい固有名詞だけ手で直す。
Step 2.3会議終了 5 分以内に配信

確認・修正して、出席者に共有。会議終了 5 分以内 に議事録が届くのは、職場の信頼を一気に上げます。

従来 30〜60 分かかっていた議事録作成が、5〜10 分 で済みます。

FLOW 3 ── 長文資料を 5 分で要約する

論文・社内資料・規制文書 ── 20〜30 ページの文書を、要点 5 行で把握できます。

Step 3.1資料の "目的" を先に決める

要約は、何を知りたいか によって出力が変わります。漠然と「要約して」と頼むと、漠然とした要約が返ります。

▶ あなたの作業
以下の資料を要約します。 【私の目的】 (例) この論文が、自社の A 薬の販促資材に使えるか、判定したい。 - 結論 - 試験デザイン - 有効性データ - 安全性データ - 引用可否の判断材料 を抽出してください。 【資料】 --- (資料をペースト) ---
期待: 目的に沿った構造化された要約。自分が次にやることが、要約を読んだ瞬間に決まる。
Step 3.2疑問点を AI に問いかける

要約だけでは不十分。"自分は何を理解できていないか" を AI に確認します。

▶ あなたの作業
この要約に対して、私が次に確認すべき疑問点を 3 つ挙げてください。 私の理解の盲点になりそうな部分も指摘してください。
期待: 「サブグループ解析の結果は?」「対照群の選定基準は?」など、自分では気づかなかった視点が出る。これが AI を "対話相手" として使うコツ。

3 つを組み合わせる ── "朝の 30 分ルーティン"

3 つの FLOW を組み合わせて、毎朝 30 分のルーティンを作ります。

時間作業使う FLOW
0-5 分朝の未読メールを AI と一緒に処理FLOW 1
5-15 分昨日の会議の議事録を AI 整形・配信FLOW 2
15-25 分今日読むべき論文 / 資料を AI 要約 → 自分の目的に合うものだけ深読みFLOW 3
25-30 分今日の優先タスクを AI と一緒にリスト化応用

従来は 1.5〜2 時間かかっていた作業が、30 分 で終わります。月 22 営業日で、月 22〜33 時間 の時間が戻ります。これは "半日〜1 日分" の作業余裕です。

失敗事例 ── やってはいけないこと

テンプレートを保存する

本講座で出てきた PROMPT を、自分の "プロンプトライブラリ" として保存してください。Notion、Apple メモ、テキストファイル ── どこでも OK。次回からはコピペするだけ。これが習熟への一番の近道です。

結びに

AI は、魔法の杖ではありません。けれど、毎日 30 分の時間を、確実に取り戻してくれる道具 ではあります。

本講座の 3 フローは、シンプルです。シンプルだからこそ、明日から始められます。1 週間続けてください。1 ヶ月続いたら、その効果は手放せなくなるはずです。

"AI が得意でない自分" から、"AI と毎日仕事をする自分" への移行は、こういう小さな積み重ねで起こります。本講座が、その第一歩になれば幸いです。