(8)医療関係者に意見聴取する場合
Q(質問)
企業の研究者が学術誌で公表する論文を医療関係者と共著するため、医師又は薬剤師に対し、未承認薬・適応外薬又は国内では認められていない用法・用量に関する情報を提供することは可能か。
A(厚生労働省の回答)
問の状況において、情報提供することは差し支えない。ただし、臨床研究法等の関係法令や遵守すべき指針等に従う必要がある。
特に留意すべき項目:(1)
So what(意味すること): 学術論文の共著を目的とした医師・薬剤師への承認外情報提供は可能だが、臨床研究法などの関係法令・指針の遵守が前提となる。
So why(なぜそう定めるか): 共著を目的とする学術的活動は販売情報提供活動とは区別されるが(項目1)、法令遵守は別途求められる。
解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意
企業の研究者が医療関係者と共著で学術論文を執筆するために承認外情報を共有することは、販売情報提供活動とは区別された学術活動として認められる。ただし、臨床研究法をはじめとする関係法令や指針に従うことが前提となり、この条件が明示されている点は重要である。
典型的な共著場面は、企業の研究者(メディカルアフェアーズ部門等)が主導して試験データを学術誌向けに分析・執筆する際、臨床現場での知見を有する医師・薬剤師を共著者として参画させるケースである。このプロセスでは、未公表の試験データやポジティブ・ネガティブ両面の解析結果を共有することが不可欠であり、それが認められている。
誤りやすい境界線は二つある。第一に、共著の形式を取りながら実態が企業主導のプロモーションを学術論文に見せかける行為(ゴーストライティング等)は、臨床研究法や医薬品業界の自主規制規範で厳しく問題視される。第二に、共著とは無関係の医師に対してその論文の内容を根拠として適応外使用を促す情報提供を行うことは、別途、求めの原則の適用を受ける。共著目的の情報共有の許容性は、その具体的な協働の枠を超えて無条件に広がるものではない。
出典: 厚労省 販提G Q&A(その2) 事務連絡 平成31年3月29日 Q18