第1 3 販売情報提供活動の原則(1)

Q(質問)

④について、「臨床研究法」、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の対象とならない海外における社外の調査研究を販売情報提供活動の資材等に引用することは可能か。

A(厚生労働省の回答)

A14 と同様。

So what(意味すること): 海外研究はQ14と同じ基準で判断される。①〜③の要件を満たし、当該研究が実施された国・地域の法規・指針・業界規範に照らして科学的・客観的根拠が担保できるなら引用可能。日本法の適用範囲外という事実自体は引用禁止の理由にも許可の理由にもならない。

So why(なぜそう定めるか): 国内外を問わず科学的妥当性と客観的検証可能性を統一基準とすることで、海外データを恣意的に利用するリスクを防ぎつつ、適正な海外エビデンスの活用を認める整合的な枠組みとなっている。

解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意

海外で実施された臨床試験の成績を日本の資材に引用することは標準的な実務であり、特に欧米の多施設共同試験や大規模レジストリ研究は重要なエビデンス源となる。このQ&Aは、日本法の域外適用という論点ではなく、「どの国で実施されたかにかかわらず科学的妥当性と客観的検証可能性という普遍的基準で判断する」という立場を示している。

実際の場面として、ICH-GCPに準拠して実施された欧米の第III相試験の成績を引用する場合がある。ICH-GCP準拠はQ14・Q15の基準を満たすための重要な証拠となるが、それだけで十分かどうかは個別判断が必要である。試験デザインの透明性(事前登録、プロトコルの開示)、データの独立的検証可能性、利益相反の開示状況も確認が必要である。

誤りやすい点は、「海外の有名ジャーナルに掲載された論文は基準を当然満たす」という前提である。掲載ジャーナルの知名度は判断の一要素に過ぎず、試験の登録状況、研究資金の利益相反、研究方法の再現可能性についての確認を省略する根拠にはならない。また当該国の規制環境・倫理基準が日本のそれと大きく異なる場合は、追加的な確認が必要となる。

出典: 厚労省 販提G Q&A(その1) 事務連絡 平成31年2月20日 Q15