(4)情報提供資料の事前作成
Q(質問)
医師又は薬剤師から頻度高く求められる適応外薬又は国内では認められていない用法・用量に関する情報について、あらかじめ、適切な社内手続を経て本ガイドラインに適合する回答書を作成しておき、医師又は薬剤師から情報提供の求めがあった場合に、当該回答書を提供することは可能か。
A(厚生労働省の回答)
問の状況において、あらかじめ回答書を作成しておくことは差し支えないが、医療関係者からの求めに応じて回答書を提供するときには、回答書の内容が医療関係者の要求内容に沿ったものになっていることを確認することが必要である。
特に留意すべき項目:(2)、(3)
So what(意味すること): 頻出質問に対する回答書を事前に作成・承認しておくことは許容されるが、実際に使用する際は「その医師・薬剤師が求めた内容と回答書の内容が一致しているか」を必ず確認してから提供する必要がある。内容が合わない回答書を機械的に渡すことは不可。
So why(なぜそう定めるか): 事前作成自体はガイドラインに反しないが、未承認情報の提供は「医療関係者の個別の求め」に対応するものでなければならないため、提供時に内容の適合確認が必要とされている。
解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意
医薬品情報部門や学術部門は、頻繁に寄せられる適応外情報の問い合わせに対し、毎回ゼロから回答を組み立てることの非効率と品質のばらつきを避けるため、あらかじめ社内審査を経た標準回答書を準備することがある。Q9はこの実務上の合理性を認めつつ、使用時に「問い合わせ内容との適合確認」を義務付けることで、事前作成が「自発的提供の抜け道」にならないよう制度設計している。
典型的な運用として、特定の適応外使用について年間数十件の問い合わせが集中する場合に、専門委員会の審査を経た標準回答書を作成・管理し、実際の問い合わせを受けた際に担当者が回答書の内容を問い合わせ内容と照合してから提供するフローが想定される。この照合ステップを省いて「いつもの回答書です」と機械的に渡すことは、たとえ同じテーマの問い合わせであっても要件を満たさない。
実務で問題になりやすいのは、問い合わせ内容が回答書の想定範囲と微妙にずれているケースへの対応である。たとえば回答書が「成人の標準体重患者への用量」を対象としているのに、問い合わせが「腎機能低下患者への用量調整」についてであった場合、回答書の一部しか適合しない。この場合、適合しない部分を除いて提供するか、改めて適合する情報を別途準備する必要がある。回答書全体を渡して「必要な部分だけ参考に」とするのは不適切である。
出典: 厚労省 販提G Q&A(その2) 事務連絡 平成31年3月29日 Q9