第2 2 社内体制の整備
Q(質問)
メディカルアフェアーズ部門を販売情報提供活動監督部門とすることは認められるか。
A(厚生労働省の回答)
「販売情報提供活動」の該当性は、実際になされた活動により個別に評価・判断されるものであるから、メディカルアフェアーズ部門は被監督部門となる可能性があるため、販売情報提供活動監督部門とすることは原則として認められない。
ただし、資材等の審査を含め、販売情報提供活動監督部門の活動におけるメディカルアフェアーズ部門の従業員の活用に関しては、Q20と同様。
So what(意味すること): メディカルアフェアーズ部門は自らも「販売情報提供活動」に該当しうるため、原則として監督部門に据えることはできない。ただし個々の担当者をQ20の条件下で実務に加えることは別論。
So why(なぜそう定めるか): 監督する側と監督される側が同一組織では利益相反が生じ、ガイドラインの独立性要件を満たせないため。
解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意
メディカルアフェアーズ(MA)部門の活動が「販売情報提供活動」に該当しうるという前提を厚労省が明示したことは、業界に対して重要なシグナルを発している。MA部門は科学的中立性を標榜するが、その活動が実質的に製品の処方を促進する効果を持つ場合、ガイドラインの適用対象となりうる。このため、MA部門が自ら監督者となることは、「自己監督」という構造的な矛盾を生じさせるとして原則禁止とされた。
典型的な適用場面は、製薬企業がコスト削減や人員効率化を理由に、MA部門にモニタリング機能を兼務させようとするケースである。特にグローバル本社の指示でMA部門とコンプライアンス機能を統合する事例が見られるが、こうした組織再編がガイドラインの独立性要件に抵触する可能性を事前に精査する必要がある。許容される活用方法は、MA部門の専門家を「実務担当者」としてQ20の条件下で監督部門に一時的に関与させることに限られ、MA部門自体が監督責任を担うことではない。
誤りやすい境界線として、「MA部門が実施する審査・監督委員会への参加」と「MA部門が監督部門の役割を担うこと」の混同がある。MA部門の科学専門家が審査・監督委員会に助言者として参加することはガイドラインが排除していないが、委員会での議決権行使や監督部門長への報告義務を担わせることは別の問題である。また、MA部門が「被監督対象」となりうる以上、MA部門の活動の適否を自部門が判断するという構造はいかなる形でも回避しなければならない。
出典: 厚労省 販提G Q&A(その1) 事務連絡 平成31年2月20日 Q21