(3)情報提供可能な未承認薬・適応外薬等に関する使用情報(品質関係の情報)

Q(質問)

医師又は薬剤師から一包化したときの裸錠での安定性、粉砕時の安定性、複数の医薬品を混合した場合の配合変化など、承認を受けていない品質に関する情報を求められた場合、どのような情報であれば情報提供可能か。

A(厚生労働省の回答)

一包化したときの裸錠での安定性、粉砕時の安定性、複数の医薬品を混合した場合の配合変化など品質に関する社内資料を、企業として本ガイドラインに適合し情報提供可能と判断した上で、本ガイドラインの条件に従って情報提供することは差し支えない。

なお、情報提供にあたっては、試験条件、試験方法などを含めたデータを提供するなど、科学的・客観的根拠に基づき正確な情報を提供するよう留意することが必要である。

特に留意すべき項目:(4)、(7)

So what(意味すること): 一包化や粉砕、配合変化などの品質情報は社内資料であっても、ガイドライン適合の社内審査を経て、試験条件・方法を明示したデータとして提供できる。試験条件なしに結果だけ伝えることは不可。

So why(なぜそう定めるか): 調剤現場では添付文書に記載のない品質情報が頻繁に必要とされる。試験条件・方法を含むデータ開示を義務付けることで、医療現場が情報を適切に評価できる科学的透明性を担保している。

解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意

一包化・粉砕・配合変化といった調剤操作は医薬品の承認規格外の使用であり、製品によっては腸溶性コーティングや徐放機構が破壊されて吸収プロファイルが変化したり、有効成分が分解したりする可能性がある。添付文書に「粉砕不可」と記載されていない場合でも安全性を保証するものではなく、薬剤師が自施設での調剤可否を判断するために企業の試験データを必要とする場面は多い。Q7はこうした品質情報についても、社内資料であっても試験条件・方法を明示した形での提供を許容している。

典型的な場面は、介護施設や在宅医療での多剤一包化調剤において特定の薬剤の裸錠安定性データを薬剤師から求められるケース、または複数の薬剤を混合する際の配合変化の有無を確認したい調剤薬局からの問い合わせである。これらは通常、医薬品情報担当部門(MID)や学術部門が対応するが、試験が実施されていない組み合わせについては「データなし」と正直に回答することが求められ、「問題ないと思われる」という推測での回答は不可である。

最も誤りやすい点は、試験結果の「結論」だけを伝え、試験温度・湿度・保管条件・測定時点などの条件情報を省略することである。品質試験の結果は条件依存性が高く、たとえば25℃/60%RHでの安定性データを実際の使用環境(高温多湿の病室など)に外挿できるかどうかは医療関係者が判断すべき事項である。条件情報なしに結論のみを伝えることは、医療関係者が情報を適切に評価できる状態を作らず、科学的根拠に基づく正確な情報提供の要件を満たさない。

出典: 厚労省 販提G Q&A(その2) 事務連絡 平成31年3月29日 Q7