(10)複数の医療関係者への情報提供
Q(質問)
多数の医師が参加している医薬品に関する医局説明会において、参加医師から当該医薬品の国内では承認されていない海外における効能・効果、用法・用量等に関する質問を受けた場合、質問を受けた医師以外の多数の医師の前で回答して差し支えないか。
A(厚生労働省の回答)
本ガイドラインの条件に従って情報提供(回答)することは差し支えない。
ただし、質問の内容によっては、その場では最小限の情報提供にとどめ、別の機会に質問者に対して個別に対応する方法を検討することも考慮するべきである。
特に留意すべき項目:(2)
So what(意味すること): 医局説明会中に出た質問に対し、多数の医師の前で承認外情報を回答することはガイドライン条件下で可能。ただし質問内容によっては当日は最小限の応答にとどめ、後日個別対応を検討すべき場合がある。
So why(なぜそう定めるか): 公的な場での一括回答が偏った印象を与えないよう均衡のとれた情報提供(項目2)が求められ、状況によっては個別対応が適切となる。
解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意
本問の舞台は医局説明会という集団的な場であり、Q20の「同席者」問題をより大規模かつ公式な文脈に展開したものである。ガイドラインは、質問者以外の多数の医師の前での回答を条件付きで認めるが、「質問の内容によっては個別対応を検討するべき」という留保を設けている点が実務上の重要なポイントである。
医局説明会での典型的な問いは、出席医師の一人が「この薬は海外では〇〇にも使われているそうだが、そのエビデンスは」と質問するケースである。この場合、ガイドライン条件を満たした上で会場全体に回答することは可能だが、提供できる情報量や複雑さ、安全性情報の十分な伝達の観点から、その場での詳細な回答が困難な場合は最小限の応答にとどめて後日個別に対応することが推奨される。
複数医師への一括回答が問題になりやすいのは、一方的な情報伝達になりやすく、個々の医師のニーズや患者背景に合わせた情報調整ができないためである。また、承認外情報の回答が場の流れの中でプロモーションの延長と見なされないよう、承認外であることの明示と販売活動との切り分けを会場の前で明確に行うことも必要である。公平性(項目2)の観点からは、出席者全員が均衡のとれた情報を受け取れる状況かどうかを担当者が判断する責任を負う。
出典: 厚労省 販提G Q&A(その2) 事務連絡 平成31年3月29日 Q21