第1 3 販売情報提供活動の原則(1)
Q(質問)
④について、社外の調査研究が「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」を遵守したものであるかを、文献からは判読できない場合や、容易に確認できない場合があるため、可能な限りの確認を行うことが求められていると考えてよいか。
A(厚生労働省の回答)
③が満たされていることを前提として、その理解で差し支えない。ただし、可能な限りの確認を行ったことを説明できる状態にしておくこと。
So what(意味すること): 文献だけでは倫理指針への準拠が確認できない場合でも、③(第三者による客観的評価・検証が可能)の要件を前提に、できる限りの確認を行い、その確認過程を説明できる記録を残せば資材に引用できる。
So why(なぜそう定めるか): 全ての文献で倫理遵守の明記を要求すると適正な科学情報の活用が著しく制限されるが、無条件に引用を許容すると基準が形骸化するため、合理的努力と記録保存のバランスで実務的な基準が設定された。
解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意
文献の中に倫理審査委員会の承認や「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」への準拠が明記されていないケースは実際に多く存在する。特に後向き観察研究や古い文献では、こうした開示が省略されていることがある。このQ&Aは、確認不可能を理由とした自動的な引用禁止ではなく、「合理的な確認努力と記録保存」という実務的な解を示している。
具体的な確認手段として、①研究登録データベース(UMIN、ClinicalTrials.gov等)で倫理審査承認番号の登録を確認する、②著者や掲載雑誌に問い合わせる、③施設の倫理委員会に照会する、といった方法が考えられる。これらの試みを実施した上で確認できなかった場合の取り扱いは、③(第三者による客観的評価・検証が可能)の要件充足を前提に個別判断となる。
誤りやすいのは、「確認できなかったので引用を見送った」という記録がない状態である。Q&Aが「可能な限りの確認を行ったことを説明できる状態にしておくこと」と求めているのは、確認プロセスそのものの証跡を残すことを意味する。行政調査や問題発生時に、どのような確認をしたかを示すことができない場合は、合理的努力を行ったとは認められない可能性がある。
出典: 厚労省 販提G Q&A(その1) 事務連絡 平成31年2月20日 Q16