第2 6 手順書・記録の作成・管理

Q(質問)

販売情報提供活動に係る手順書に網羅すべき必須項目はあるか。

A(厚生労働省の回答)

販売情報提供活動の方法、業務記録の作成、販売情報提供活動の資材等の取扱い等の項目を含め、本ガイドラインを遵守した適切な販売情報提供活動が行われることを担保することができるよう、各社の販売情報提供活動等の状況に応じて、手順書を定めること。

また、手順書の項目については、各社における運用を踏まえ、随時必要な改訂を行うこと。

So what(意味すること): 政令で列挙された固定必須項目はないが、活動方法・業務記録・資材取扱いの3分野は最低限カバーする必要があり、運用実態が変われば随時改訂しなければならない。

So why(なぜそう定めるか): 手順書がガイドラインの遵守を担保する内部統制ツールである以上、実態に合わない記載のままでは機能しないため。

解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意

手順書の必須項目が法令上固定されていないことは、一見すると「何でもよい」に見えるが、本Q&Aが挙げる三分野(活動方法・業務記録・資材取扱い)は最低限カバーすべき骨格であり、これに加えてモニタリング手順・苦情処理・是正措置・教育訓練等を補完的に定めることが実務上求められる。手順書は内部統制の要であり、空白のある手順書は監督機能の穴となる。

典型的な適用場面として、ガイドライン施行後に各社が既存のSOPを見直す過程で、GMP関連手順書はあるが販促活動専用の手順書が存在しなかった企業が、新たに手順書を整備するケースがある。この場合、既存の「MR活動マニュアル」や「資材管理規程」等を包括する形で、ガイドラインの各条項に対応した手順書体系を構築することが合理的な進め方となる。手順書の版管理(改訂履歴・有効版の管理)も重要な実務課題となる。

誤りやすい点は、「手順書を作成した」ことで要件を満たしたと思い込み、運用実態が変わっても改訂しないケースである。例えば、デジタルツールを用いた新しい情報提供形態(電子資材・ウェビナー等)が登場した際、既存の手順書がその取扱いを定めていない場合、担当者は判断基準なく新形態の活動を行うことになる。手順書は「作成」ではなく「最新性の維持」が実効的なコンプライアンスの鍵であり、年次レビューを義務化する仕組みを組み込むことが望ましい。

出典: 厚労省 販提G Q&A(その1) 事務連絡 平成31年2月20日 Q30