第2 2 社内体制の整備
Q(質問)
販売情報提供活動監督部門の責任者に対して必要な助言ができる適切な外部機関に審査・監督委員会の業務を委託してよいか。
A(厚生労働省の回答)
差し支えない。ただし、その場合であっても、モニタリングや審査等の監督指導に関する責任は販売情報提供活動監督部門が担うこと。
So what(意味すること): 業務そのものを外部委託することは可能だが、モニタリング・審査の最終責任は自社の監督部門が負う。委託先任せにして責任を転嫁することはできない。
So why(なぜそう定めるか): 委託先が不適切な対応をした場合に、自社が行政から責任を問われる立場であることを明示するため。
解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意
審査・監督委員会業務の外部委託可否を問うこのQ&Aは、ガイドラインが「業務の実施主体」と「最終的な責任の帰属先」を分離して考えていることを示している。業務執行は外部に任せることができるが、監督指導に関する責任は法的・行政的に委託元である自社の監督部門が負い続ける。この原則は、日本の企業法制・薬事行政全般に共通する「業務委託しても責任は自社」という考え方と整合している。
典型的な適用場面として、専門性の高い外部CRO(受託機関)やコンプライアンス専門会社に委員会機能を委託するケースがある。委託先が月次でモニタリング結果を報告し、半年に一度委員会として審査を行う契約形態でも、委託先が不適切な判断を下した場合に監督官庁から改善指示を受けるのは委託元の製薬会社側である。このため、委託契約書に「委託先の業務の質を評価・管理する義務」「異常時の自社への即時報告義務」等を盛り込み、実効的な管理体制を維持することが必要である。
誤りやすい点は、外部委託をもって「審査・監督委員会を設置した」という要件を満たせると考えつつ、委託先の実務を全く確認しないケースである。委託先がガイドラインの趣旨に即した助言を実際に行っているか、委員会記録が適切に保存・報告されているかを定期的に確認する仕組みが必要である。委託先任せのまま問題が発生した場合、「外部委託しており管理していなかった」という事実が、むしろ行政対応において不利に働く可能性がある。
出典: 厚労省 販提G Q&A(その1) 事務連絡 平成31年2月20日 Q27