第1 3 販売情報提供活動の原則(1)

Q(質問)

①において、「提供する医療用医薬品の効能・効果、用法・用量等の情報は承認された範囲内のものであること」とされているが、③にある「承認審査に用いられた評価資料や審査報告書」を出典とする情報であれば、承認された範囲外となる情報の提供は可能との理解でよいか。

A(厚生労働省の回答)

承認審査や再審査において評価された試験成績や、添付文書改訂時に評価された試験成績、自社製品の安全性に関する注意喚起を目的として情報提供する必要がある試験成績は提供可能である。

So what(意味すること): 審査報告書を出典とすれば承認外の有効性情報を自由に提供できるわけではない。提供できるのは、承認審査・再審査で評価された試験成績か、安全性注意喚起に必要な試験成績に限られる。

So why(なぜそう定めるか): ③の「審査報告書」は科学的根拠の出典要件(客観的評価・検証が可能であること)を示す例示であり、承認範囲外の有効性情報を提供する根拠にはならないとの整理がされている。

解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意

ガイドラインの原則①(承認された範囲内の情報提供)と原則③(科学的根拠の出典要件)はそれぞれ独立した要件である。③の「承認審査に用いられた評価資料や審査報告書」は、情報の科学的根拠が客観的評価・検証に耐えうることを示す例示であって、①の制限を解除する免除規定ではない。この二つを混同して「審査報告書が出典であれば承認外でも提供できる」と解釈することは許されない。

具体的な誤用場面として、承認審査の過程で参照されたが最終的に承認には至らなかった用量域や投与期間に関するデータを、「審査で評価された資料」として提示するケースがある。審査報告書に記載されているデータでも、承認された効能・効果・用法・用量の範囲外の情報として有効性を訴求することは禁じられる。

許容される例外は回答が明示している通り、①承認審査・再審査で評価された試験成績、②添付文書改訂時に評価された試験成績、③自社品の安全性注意喚起に必要な試験成績の三つに限定される。③は注意喚起目的であり有効性推奨ではない点が重要で、「承認外でも問題がなかった」という内容の提供は③に該当しない。

出典: 厚労省 販提G Q&A(その1) 事務連絡 平成31年2月20日 Q9