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Ethics · Regulation · Technology — 製薬実務の学習ノート

正義病 ── 資材審査員の、グレーが見えなくなる病

ルールに対し近接的な視点しか持たず、自分の中の正しさにとらわれると、判断は主観へ傾く。さらにメタ認知が効かないと、すべてが白か黒かに割れ、グレーが視認できなくなる ── 本シリーズはこれを「正義病」と呼ぶ。一人の資材審査員の職業人生を追う全 10 回のストーリー。発症から、近接の罠、白黒思考、増幅、断絶、メタ認知の欠落、合併症、転機、寛解、そして共生へ。これに気づけるか否かが、その後の職業人生を分ける。

01

発症 ──「正しさ」の快感

ある日、その審査員は初めて「ありがとう」と言われた。出稿直前の販促資材に、誇大な効能表現が紛れ込んでいた。
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02

近接の罠 ── ルールしか見えなくなる

前回、その審査員は初めて違反を止め、感謝された。正しさが報酬として刻まれた瞬間だった。
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03

白か黒か ── グレーの消失

その審査員は、いつからか「グレーな判断」を恥と感じるようになっていた。第1回で「正しさ」の快感を覚え、第2回でルールの外を見失った。
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04

増幅 ── 主観が「正義」に育つ

最初は違反を止める快感だった。次第にルールしか見えなくなり、グレーは「甘え」に映るようになった。
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05

ダメ出し屋 ── 周囲が敵に見える

違反を止めることが「報酬」になり(第1回)、ルールだけが視界を埋め(第2回)、グレーが消え(第3回)、指摘そのものが目的化した(第4回)。
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06

メタ認知の欠落 ── 自分が見えない

第5回の終わりで、その審査員の周囲はすでに変化に気づいていた。マーケティング担当者は申請前に心理的コストを積算するようになり、上司は小さな火種を消すのに時間を割くようになっていた。
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07

合併症 ── 過剰指摘という害

指摘することは正しい。問題を発見し修正を求めることは、資材審査員の本来の役割だ。
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08

転機 ── グレーを見た日

七回にわたって積み上げてきた確信が、一つの案件で音を立てて揺れた。その審査員はそれまで、白か黒かを決断することを職業的誠実さと同一視してきた。
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09

寛解 ── 文脈を取り戻す

病が「寛解」に向かうとき、何かが突然治るわけではない。見ている場所が変わる。
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10

共生 ── 正義病と生きる (最終回)

第9回、その審査員は初めて自分に問いを向けた。「何を守るためのルールか」。
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全 10 回構成。物語仕立て。視座の他シリーズと対をなす。

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