(11)講演会、学会等における情報提供

Q(質問)

日本企業のグループ会社である海外の現地企業主催の講演会で、海外において承認されている情報であって未承認薬・適応外薬又は国内では認められていない用法・用量に関する情報が提供される場合、日本から医師又は薬剤師が日本企業による働きかけ等によらず当該講演会に参加するときは、当該日本企業による未承認薬・適応外薬又は国内では認められていない用法・用量に関する情報の提供に当たるか。

A(厚生労働省の回答)

当たらない。

特に留意すべき項目:(1)

So what(意味すること): 海外グループ会社が主催する講演会に日本の医師・薬剤師が日本企業の働きかけなく自主的に参加する場合、そこで提供される承認外情報は日本企業による情報提供には該当しない。

So why(なぜそう定めるか): 日本企業が積極的に関与・誘導していない自発的参加であれば、その場の情報提供活動は日本企業の行為とみなされない(項目1)。

解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意

本問は国際的な企業グループの文脈で生じるグレーゾーンを整理する。日本の親会社の関係会社にあたる海外企業が主催する講演会に、日本の医師・薬剤師が自主的に参加した場合、そこで提供される未承認情報が日本の親会社の「情報提供行為」に当たるかという問いである。答えは否であり、日本企業の積極的な関与・働きかけが存在しないことが条件となる。

典型的な場面として、ある国際学会に合わせて海外現地法人が自国の承認情報に基づく製品講演を開催し、学会参加中の日本の医師がその講演に立ち寄るケースが考えられる。その際、日本法人が医師に対してその講演への参加を勧誘・案内・費用負担等の形で誘導していなければ、その場の情報は日本企業の提供行為とはみなされない。

誤りやすい境界として、「働きかけ等によらず」という要件が厳格に解釈される点がある。たとえば、日本法人の担当者が医師に対してその海外講演の日時・会場情報を共有する、参加を「勧める」ニュアンスのコミュニケーションをとる、あるいはその講演への参加を前提とした旅費や宿泊費を負担するような場合は、積極的な働きかけが認められるため、日本企業の情報提供行為として規制の対象になりうる。形式上は自主参加でも実質的な誘導が伴えば適用除外にはならない。

出典: 厚労省 販提G Q&A(その2) 事務連絡 平成31年3月29日 Q24