(12)従業員の学会活動
Q(質問)
未承認薬・適応外薬又は国内では認められていない用法・用量に関する治験データについて、企業のメディカル・アフェアーズ(MA)の従業員が学会発表することは可能か。
A(厚生労働省の回答)
企業の従業員が、自社主催又は共催でない学会の発表の場において、学会からの求めに応じ、本ガイドラインの条件に従って治験データについて発表することは差し支えない。
特に留意すべき項目:(2)、(3)、(7)
So what(意味すること): MAの従業員が承認外薬の治験データを学会で発表することは、自社主催・共催でない学会において学会からの求めに応じた形であれば可能。
So why(なぜそう定めるか): 学会からの求めに応じた発表は販売情報提供活動と切り離された学術活動と位置付けられ、ガイドライン条件(項目2・3・7)を満たす限り認められる。
解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意
本問は製薬企業のメディカルアフェアーズ(MA)部門の従業員が、自社製品に関する未承認薬・適応外薬の治験データを学会発表する場合の規制上の位置づけを明確にする。結論として、自社主催・共催でない学会において学会からの求めに応じた発表であれば認められる。
典型的な場面は、MA部門の従業員が第三者主催の国内外の学術学会でポスター発表や口頭発表を行う場合である。この場合、学会が演者として招聘・指名したか、あるいは演題が学術的な審査を経て採択されたかが「学会からの求め」の実質的な根拠となる。治験データの発表は科学的情報の普及を目的とした学術活動であり、販売活動とは本来的に区別される。
誤りやすいのは「自社主催・共催でない」という条件の境界である。たとえば、企業が資金提供・スポンサーとして主催に関与している講演会やシンポジウムでのMA従業員による発表は、自社主催・共催に類似すると判断される可能性がある。また、学会から求められたという事実は記録上確認可能であることが望ましく、担当者個人の判断で「学術的な場だから」と発表テーマを設定することは、求めの成立要件を満たさない。発表内容における均衡(項目2)や資材の承認(項目7)の観点からも、社内審査プロセスを経た上で発表に臨む必要がある。
出典: 厚労省 販提G Q&A(その2) 事務連絡 平成31年3月29日 Q25