第2 4 販売情報提供活動に関する評価や教育等

Q(質問)

「経営陣は、役員・従業員が適切な販売情報提供活動を行ったかどうか及び行わせたかどうかを確認し、役員・従業員に対する評価に適切に反映すること」とあるが、具体的にはどのようなことを想定しているか。

A(厚生労働省の回答)

例えば、販売情報提供活動の担当部門に所属する者に対して、適切な販売情報提供活動を行ったこと及び行わせたことを人事上の評価項目として設定するなど、売り上げ至上主義によらない人事評価制度や報酬体系とすることが考えられる。

So what(意味すること): 「適切な販促活動の実施」を人事考課の明示的な評価軸に加え、売上だけで評価・昇給が決まる制度を改める必要がある。

So why(なぜそう定めるか): 売上目標だけを評価軸にすると、担当者が不適切な誇張情報を提供するインセンティブが生まれ、ガイドライン違反を構造的に誘発するため。

解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意

経営陣による評価反映の具体的内容を問うこのQ&Aは、ガイドラインが単に担当者の行動規範を定めるだけでなく、組織のインセンティブ構造そのものの変革を求めていることを示している。売上額・処方件数のみを評価軸とする人事制度は、担当者に誇張した情報提供を行う動機を構造的に与えてしまう。これを変えなければ、資材審査や手順書の整備をいくら行っても、現場での不適切行動を根絶することはできない。

典型的な適用場面として、担当者の年次考課において「コンプライアンス遵守度」「資材範囲内での情報提供実績」「クレーム対応状況」等を定量・定性評価項目として加えるケースがある。また、管理職(営業所長・地区マネージャー等)については、部下の不適切行動を放置または黙認したか否かを評価項目に加えることも求められている。売上目標未達でもコンプライアンス評価が高い担当者が昇格できる制度設計が求められる。

誤りやすい点は、コンプライアンス評価項目を「加点のみ」にとどめ、売上未達のマイナス評価を相殺できない設計にすることである。このような制度では、担当者は実質的に売上至上主義のまま行動せざるを得ない。経営陣が本Q&Aの趣旨に従う場合、「適切な販売情報提供活動を行ったこと」が独立した評価軸として機能し、かつ当該評価軸での低評価が昇格・報酬に実質的な影響を与える制度設計が必要である。こうした制度変更は、監督官庁の監査において「売上至上主義の是正措置」として注目される重要な証拠となる。

出典: 厚労省 販提G Q&A(その1) 事務連絡 平成31年2月20日 Q28