(9)口頭での情報提供
Q(質問)
本ガイドラインにおいて、「情報提供にあたっては、要約、省略、強調等を行わないこと」とされているところ、企業の薬相談窓口に、電話で、医師又は薬剤師から適応外薬又は国内では認められていない用法・用量に関する情報提供の求めがあった場合、情報提供に際してどのようなことに留意すべきか。
A(厚生労働省の回答)
問の状況における情報提供にあたっては、効能・効果、用法・用量等の有効性に関する情報のみならず、副作用など安全性に関する情報も提供するなど、有効性及び安全性に関する情報を適切に提供する必要があることに留意すべきである。
特に、単に時間が限られているという理由で、安全性に関する情報の提供を省略してはならないことに留意し、そのような場合には、他の情報提供の方法も検討する必要がある。
特に留意すべき項目:(4)、(6)
So what(意味すること): 電話での口頭回答であっても有効性情報だけでなく副作用等の安全性情報を必ず伝える必要があり、時間不足を理由に安全性情報を省略することは禁止される。時間が足りない場合は別の方法(書面送付等)を検討する。
So why(なぜそう定めるか): 要約・省略・強調を禁じるガイドライン原則(項目4・6)は媒体を問わず適用され、電話という時間制約はその免除理由にならない。
解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意
薬相談窓口への電話は、医療関係者が承認外情報の求めを行う代表的なチャネルの一つである。本問が問いかけるのは、「要約・省略・強調を行わないこと」というガイドラインの原則が、口頭・電話という媒体においてどのように担保されるかという問題である。結論として、有効性情報だけでなく副作用等の安全性情報も必ず伝えること、時間不足を理由に安全性情報を省略することは禁じられること、の二点が示されている。
電話対応で特に生じやすい場面は、医師・薬剤師が「この患者に〇〇の適応外使用は効くか」と短時間で聞いてくるケースである。担当者が有効性に関するエビデンスの概要だけを手短に回答してしまうと、副作用プロファイルや注意が必要な患者背景に関する情報が抜け落ちる。このような対応はガイドラインの「省略禁止」に抵触する。
実務上の対処策として、電話で完結できない場合は「詳細な情報を書面で後日送付する」「改めて時間を確保した電話でご説明する」という選択肢を積極的に提示することが求められる。特に注意が必要なのは、医師側が「とにかく今すぐ教えてほしい」と求めるケースであっても、安全性情報の伝達を省略したまま回答することは認められないという点である。担当者は電話の流れに引きずられず、情報の完全性を守る義務を持つ。
出典: 厚労省 販提G Q&A(その2) 事務連絡 平成31年3月29日 Q19