(5)他の目的で情報提供する資料に未承認薬・適応外薬等に関する使用情報が含まれる場合

Q(質問)

医師又は薬剤師から使用成績調査の結果に関する情報を求められた場合で、既に自社が公表している使用成績調査の結果に国内では認められていない用法・用量に関する情報が含まれているときは、当該使用成績調査の結果に関する情報を提供することが可能か。

A(厚生労働省の回答)

法令に基づき行った報告(安全性定期報告)の内容には、承認を受けていない用法・用量等に関する情報が含まれることを明確に伝えた上で、当該報告の内容を、本ガイドラインの条件に従って情報提供することは差し支えない。

特に留意すべき項目:(6)、(7)

So what(意味すること): 法令に基づく安全性定期報告(使用成績調査を含む)は、未承認の用法・用量情報が含まれることを明示した上で提供できる。ただし安全性関連留意事項(6)への準拠も必要であり、安全性情報の省略は不可。

So why(なぜそう定めるか): 法令報告は企業が義務的に作成した客観的文書であり、その提供は科学的・客観的根拠の要件を満たしやすい。一方、未承認情報の混在を明示する義務は医療者による適切な情報評価のために設けられている。

解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意

安全性定期報告や使用成績調査報告書は、薬事法令に基づいて企業が規制当局に提出する義務報告書であり、その内容は現実の医薬品使用実態を反映している。承認外用法・用量での使用が実態として存在する場合、その情報が法令報告に含まれるのは自然な帰結である。Q11は、この法令報告の内容を医療関係者に提供することを、未承認情報の含有を明示した上で許容している。

典型的な場面は、企業が既に公表している安全性定期報告に添付文書外の用量での有害事象情報が記録されており、その安全性情報について担当医師から問い合わせがあるケースである。この場合、当該用量が承認外であることを明示した上で、法令報告全体または関係する部分を提供できる。なお、法令に基づく報告であることを示すことで、科学的・客観的根拠の要件を満たしやすくなる側面がある。

誤りやすいのは、安全性定期報告の中から有効性データの部分のみを抜粋して提供し、同報告に含まれる安全性情報(有害事象・副作用等)を省略するケースである。留意事項(6)が示すとおり、安全性情報の省略は許されず、有効性・安全性をバランスよく提供することが求められる。また、法令報告の一部を切り取って提供する場合、文脈から切り離されることで情報が誤解される恐れがないかの確認も必要である。

出典: 厚労省 販提G Q&A(その2) 事務連絡 平成31年3月29日 Q11