(1)情報提供可能な未承認薬・適応外薬等に関する使用情報(効能・効果、用法・用量関係の情報)
Q(質問)
医師又は薬剤師から添付文書に明確に記載されていない小児等への投与に関する情報を求められた場合、どのような情報であれば情報提供可能か。
A(厚生労働省の回答)
A1と同様。
So what(意味すること): 小児等への投与情報(添付文書未記載)もQ1と同じ条件が適用される。科学的根拠に基づく情報であれば、社内審査を経て提供可能であり、ネガティブ情報の開示も必要。
So why(なぜそう定めるか): 小児等への未承認使用情報は臨床上のニーズが高い一方、証拠が限られることが多いため、Q1のエビデンス要件とネガティブ情報開示の枠組みを同様に適用して安全性を確保している。
解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意
日本では小児を対象とした臨床試験を義務付ける制度的枠組みが成人に比べて弱く、多くの薬剤で「小児への投与については有効性・安全性は確立していない」という記載のみで具体的な用量情報が添付文書に存在しない。それでも小児への投与が医学的に必要となる場面は多く、小児科・新生児科・小児腫瘍科では体重換算用量や年齢別投与量に関する情報を企業に求めるケースが頻繁に発生する。Q5はこうした現場ニーズに応え、Q1の枠組みを小児情報にも適用することを明確にしている。
典型的な場面は、成人適応で承認された薬剤の小児用量について海外の小児科学会ガイドラインや海外添付文書を根拠として提供を求められるケース、または自施設で蓄積した小児への投与経験を持つ医師から「企業側の安定性・安全性データはあるか」と問われるケースである。前者ではQ1同様に学術的評価を経た外部資料として提供できるが、後者の社内データは科学的根拠と試験条件を明示した形での提供が求められる。
誤りやすい点は、小児データが乏しいにもかかわらず「現在得られている情報を提供する」として、有効性に関する限られた症例報告のみを提示し、用量設定の根拠の弱さや安全性モニタリングの必要性を説明しないことである。また、「成人と同様の安全性プロファイルと思われる」という推測を加えることも禁じられる。添付文書に記載のない情報を提供する以上、エビデンスの限界を明確に伝える責任は企業側にある。
出典: 厚労省 販提G Q&A(その2) 事務連絡 平成31年3月29日 Q5