(1)情報提供可能な未承認薬・適応外薬等に関する使用情報(効能・効果、用法・用量関係の情報)

Q(質問)

医師又は薬剤師から再評価の結果、承認が取り消された効能・効果、用法・用量に関する情報を求められた場合、どのような情報であれば情報提供可能か。

A(厚生労働省の回答)

再評価の結果、承認が取り消されたこと及び承認が取り消された理由について情報提供することは差し支えない。

特に留意すべき項目:(6)

So what(意味すること): 「承認が取り消された」という事実と取消理由の情報は提供できる。ただし、取消済みの効能・用法を推奨するような情報提供は不可であり、安全性関連留意事項(6)への準拠が求められる。

So why(なぜそう定めるか): 再評価で安全性・有効性が否定された情報を医療現場が知ることは患者安全上必要であるが、否定された情報そのものの宣伝を避けるため、「取消の事実と理由」に限定している。

解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意

再評価制度は、既承認医薬品の有効性・安全性を最新の科学的基準に照らして再審査し、要件を満たさないと判断された場合に承認を取り消す仕組みである。再評価で承認取消となった効能・用法は、規制上「現在使用すべきでない」と判定されたことを意味する。医師がその事実を知らずに当該用途での処方を継続するリスクを防ぐため、取消の事実と理由についての情報提供は許容されており、これは安全性情報の共有という観点から積極的に求められる側面もある。

典型的な場面は、古くから使用されてきた薬剤の特定の適応について再評価で承認が取り消されたが、その事実が現場に浸透していない状況で当該用途での使用を検討している医師から問い合わせがあるケースである。この場合、企業担当者は「○○の効能については再評価の結果、承認が取り消されており、取消の理由は○○です」という情報提供が可能であり、かつ安全上必要でもある。

最も重要な境界線は、「取消の事実と理由」を伝えることと「取消後の効能についての情報を推薦的に提供すること」の区別である。たとえ「学術論文ではまだ一定の有効性が報告されている」という状況であっても、再評価で否定された効能に関する情報を積極的に情報提供することは禁じられる。取消の理由を説明するために否定された試験データを引用することは許容されるが、それを超えて「使えるかもしれない」という文脈で追加情報を提供することは不可である。

出典: 厚労省 販提G Q&A(その2) 事務連絡 平成31年3月29日 Q3