第1 3 販売情報提供活動の原則(2)④(他社製品等の誹謗等の禁止)
Q(質問)
医師又は薬剤師から自社製品と他社製品との薬価に関する比較情報を求められた場合、情報提供可能か。
A(厚生労働省の回答)
薬価に関する情報提供は内容としては本ガイドラインの規制対象外であるが、販売情報提供活動の一環である以上、本ガイドラインや医薬品等適正広告基準の遵守が前提となる。情報提供にあたっては、医師又は薬剤師の誤認を招かない公平な比較情報とすること。
So what(意味すること): 薬価比較情報はガイドラインの規制対象外だが、販促活動の一部である以上は広告基準を遵守し、誤認を招かない公平な比較を行う必要がある。
So why(なぜそう定めるか): 薬価はガイドラインが規律する科学的情報とは性格が異なるが、医師・薬剤師の処方・調剤判断に影響するため、公平性の担保を求める。
解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意
薬価情報はガイドラインが直接規制する「医薬品の科学的情報」には該当しないため、第1の3(1)に規定された科学的根拠の要件は適用されない。しかし、薬価情報も「販売情報提供活動の一環」として行われる以上、本ガイドラインおよび医薬品等適正広告基準の枠外にはなく、公平性の担保が求められる。
典型場面は、医師または薬剤師が「自社品と他社品で保険点数に差があるか教えてほしい」「後発品が存在するが先発品の薬価と比べてどのくらいか」と質問するケースである。薬価は厚生労働省が公定した公的情報であり、正確な数値を提示すること自体は問題ない。ただし、1日薬価・コース薬価・規格ごとの薬価など、比較の切り口によって印象が変わるため、どの計算方法を使って比較したかを明示することが誤認防止の観点から重要である。
実務上の注意点として、薬価比較に「医療経済的優位性」という評価を乗せて訴求することは、ガイドラインが定める科学的情報の公平性とは別の問題、すなわち適正広告基準上の比較広告の問題を引き起こす可能性がある。単純に「薬価はこの価格です」という事実の提示と、「費用対効果で自社品が優れている」という主張の間には、監視指導上の扱いに差がある。薬価比較を行う場合は、医薬情報担当者が独自に経済的評価を付け加えないことが実務上の安全策である。
出典: 厚労省 販提G Q&A(その4) 事務連絡 令和6年2月21日 Q9