(1)情報提供可能な未承認薬・適応外薬等に関する使用情報(効能・効果、用法・用量関係の情報)

Q(質問)

医師又は薬剤師から未承認薬・適応外薬又は国内では認められていない用法・用量に関する治験データを求められた場合、どのような情報であれば情報提供可能か。

A(厚生労働省の回答)

A1と同様。

ただし、症例報告に関する部分は除く。

特に留意すべき項目:(4)、(5)、(6)

So what(意味すること): 治験データの提供はQ1と同じ条件で可能だが、症例報告はこの設問の対象外となる。治験データは試験条件・方法を明示して科学的根拠とともに提供する必要がある。

So why(なぜそう定めるか): 治験データは症例報告と異なり対照試験等の手続きを経ているため一定の信頼性があるが、症例報告の条件(患者限定、エビデンス不足の明示)は治験データには適用不要とし、規定を整理している。

解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意

治験データはランダム化比較試験や用量漸増試験など、科学的手続きを経て収集された構造化データであり、症例報告とは質的に異なる。このため、Q1の「症例報告はエビデンスが十分でないことを明示して提供」という規定は治験データには適用されず、Q4はその部分を除外している。一方で、治験データについても恣意的な選択の禁止(留意事項(5))や安全性情報の省略禁止(留意事項(6))は同様に適用される。

典型的な場面は、承認申請中の新適応に関する治験中間報告を臨床試験参加施設の医師が求めるケース、または自社製品の効能追加に向けた医師主導治験データについて問い合わせを受けるケースである。この場合、JRCTやClinicalTrials.govに登録・公開されている情報であれば提供可能であり、社内の未公開解析データは対象外となる。

実務で誤りやすいのは、有望な中間解析データを提供し、その後の最終解析で主要評価項目が達成されなかったデータを提示しないことである。治験データの提供においても「ネガティブな情報の提供が必要」というQ1の原則は維持されており、特定の試験の良好な結果だけを抜粋して説明することは許されない。また、公開中の治験について「このデータはまだ内部の解析段階ですが」として社内情報を補足的に加えることも不可である。

出典: 厚労省 販提G Q&A(その2) 事務連絡 平成31年3月29日 Q4