第4 3 未承認薬・適応外薬に関する情報提供

Q(質問)

未承認薬・適応外薬に関する情報提供に関する記録の保管期間の目安はあるか。

A(厚生労働省の回答)

本ガイドラインにおいて、未承認薬・適応外薬等に関する情報提供についての記録の作成が求められている趣旨及びその必要性を踏まえて、各社の状況に応じて適切に設定すること。

So what(意味すること): Q32と同様に、法定最低期間の定めはない。ただし未承認・適応外情報は医薬品安全上の重要性が高いため、通常業務記録より長期の保管を検討することが実務上合理的である。

So why(なぜそう定めるか): 未承認・適応外情報の提供に問題があった場合、その後の薬事行政手続き・安全性調査は長期にわたることがあり、記録がなければ事実確認が不可能になるため。

解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意

Q32と同様に保管期間の目安を設けないこのQ&Aは、未承認・適応外情報に関する記録が通常の業務記録とは異なる性質を持つことを示唆している。未承認・適応外情報の提供は8条件を全て満たした上でのみ認められる例外的行為であり、その記録は「条件充足の証明」という機能を持つ。行政調査や法的手続きにおいて、記録が存在することが条件充足の事後的な証明手段となるため、通常の業務記録より長期の保管が実質的に求められる。

典型的な適用場面として、未承認薬・適応外薬情報を提供する機会が多い臨床試験中の製品を担当するMRやメディカルアフェアーズ担当者の場合、個別の情報提供ごとに8条件のチェックリスト・提供した情報の内容・医師の要請の経緯等を記録し、それを製品の承認・市販後安全管理の期間と整合する形で保管することが合理的である。承認後に当該情報に基づく安全性の問題が浮上した場合、承認前の情報提供記録が参照される可能性がある。

誤りやすい点は、「未承認・適応外情報の提供記録」を「通常の業務記録」と同じ系統のファイルに混在させて保管するケースである。提供の性質が異なる以上、記録の管理体制も分離することが望ましい。また、担当者が異動・退職した後も記録が適切にアクセス可能な形で保存されているかを確認する仕組みが必要であり、記録の保管場所・管理責任者・引継ぎ手順を手順書に明記することが実務的な対策となる。

出典: 厚労省 販提G Q&A(その1) 事務連絡 平成31年2月20日 Q36