第1 3 販売情報提供活動の原則(1)
Q(質問)
④について、「臨床研究法」、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の制定以前に実施された社外の調査研究を販売情報提供活動の資材等に引用することは可能か。
A(厚生労働省の回答)
①から③を満たしており、その他の関連法規や遵守すべき指針、業界団体の自主規範等も踏まえて、科学的及び客観的な根拠に基づくことを担保できる調査研究であれば、引用することは差し支えない。
So what(意味すること): 臨床研究法や医学系研究倫理指針の施行前に実施された研究でも、①〜③の要件を満たし、当時適用された法規・指針・業界規範に照らして科学的・客観的根拠が担保できるなら引用可能。年代の古さ自体は禁止理由にならない。
So why(なぜそう定めるか): 法律・指針の施行時期で一律に引用可否を決めるのではなく、当時の適切な規範に従って実施されたか否かという実質的な科学的妥当性で判断する枠組みが採られた。
解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意
臨床研究法は2018年4月に施行された比較的新しい法律であり、それ以前の長い期間に実施された数多くの観察研究・介入研究が資材での使用対象となる場面は実務上多い。このQ&Aは、施行日という画一的な基準ではなく、「当時の規範への準拠と科学的妥当性」という実質的な基準で可否を判断する枠組みを示している。
具体的な確認場面として、2000年代に実施された製造販売後調査(PMS)の結果報告書を資材に引用する場合がある。臨床研究法はないが、当時の薬事法下のGPSP省令や日本医師会等の倫理指針への準拠状況を確認し、研究方法の科学的妥当性・客観性を検証した上で引用可否を判断する必要がある。
誤りやすい点は、「臨床研究法以前なので確認しようがない」という思考の停止である。当時の業界団体の自主規範(日本製薬工業協会のプロモーションコード等)、各学会の研究倫理指針、薬事法上の関連省令への準拠状況は、研究報告書・論文・著者への問い合わせ等で確認を試みることができる。確認の結果とプロセスを記録に残すことが実務上重要である。
出典: 厚労省 販提G Q&A(その1) 事務連絡 平成31年2月20日 Q14