第1 3 販売情報提供活動の原則(2)④(他社製品等の誹謗等の禁止)
Q(質問)
医師又は薬剤師から自社製品と他社製品との禁忌、特定の使用上の注意事項、相互作用、特定の副作用や特定の背景についての副作用について比較情報を求められた場合、情報提供可能か。
A(厚生労働省の回答)
A6と同様。
So what(意味すること): 禁忌(=その薬を使ってはいけない患者や条件)・相互作用(=他の薬や食品と一緒に使うと効きすぎたり効かなくなったりすること)・特定副作用の比較も、A6と同じ扱いになる。特定の項目だけに絞った質問であっても、安全性プロファイル(=その薬の安全性に関する情報の全体像)の文脈を外さずに提供し、出典を明示すること。
So why(なぜそう定めるか): 禁忌や特定副作用は安全性の一部である。A6で求められた「安全性の全体像を示す」という条件はここでも変わらないため、A6の回答をそのまま当てはめる(=準用する)。
解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意
Q7はA6の準用(=同じ趣旨の前の回答をそのまま当てはめること)である。禁忌・使用上の注意・相互作用・特定副作用という「個別安全性項目」の比較を求められた場合にも、A6の全体像提示義務(=安全性の一部だけでなく全体像を示す義務)が適用されることを確認している。質問が特定の項目に絞られていても、答える側が出す情報の範囲まで同じように絞ってよいわけではない。
典型場面は、医師が「自社品と他社品の、腎機能が低下した患者への禁忌の違いを教えてほしい」と求めるケースである。禁忌の比較を示すこと自体は、求めに応じた範囲内なので問題ない。しかし、例えば自社品には禁忌がなく他社品には禁忌があるという自社に有利な情報だけを切り取って見せ、一方で他社品の特定副作用プロファイル(=特定の副作用に関する情報のまとまり)で他社品が自社品より優れている点には触れない、という出し方は、都合のよい情報だけを選ぶ恣意的な情報選択になる。
相互作用の比較でよく問題になるのは、薬を分解する体内の酵素(CYP=肝臓などにある薬物代謝酵素。これが関わると他の薬との相互作用が起きやすい)に関する相互作用プロファイル(=相互作用に関する情報のまとまり)の一部だけを抜き出して見せることである。自社品が特定のCYPの経路への影響が少ないことを強調するとき、それ以外の相互作用(例:腎臓から尿へ薬が出ていく腎排泄経路の違いや、Pgp基質性=薬を細胞外へ汲み出す輸送体Pgpの影響の受けやすさ)について他社品との関係をわざと省くと、安全性プロファイル全体の文脈を歪めることになる。質問が特定の相互作用に絞られていても、添付文書に書かれた相互作用情報の全体の中での位置づけを示しておくことが、実務上の安全策となる。
出典: 厚労省 販提G Q&A(その4) 事務連絡 令和6年2月21日 Q7