(14)患者に対する情報提供

Q(質問)

患者団体から未承認薬や効能追加に関する開発の状況に関する情報(治験情報)を求められた場合、どのような情報であれば情報提供可能か。

A(厚生労働省の回答)

例えば、厚生労働省ホームページにおいて「国内での治験・臨床研究の情報」として紹介されているサイト(大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)、(一財)日本医薬情報センター(JAPIC)、(公社)日本医師会治験促進センター(JMACCT))の情報、臨床研究法に基づき公開されている医療機関等で実施される臨床研究(臨床研究実施計画・研究概要公開システム:JRCT)の情報、PMDAホームページで公開されている主たる治験及び人道的見地から実施される治験(拡大治験)の情報、ClinicalTrials.gov(※)の情報等を、本ガイドラインの条件に従って情報提供することは差し支えない。 (※)https://www.clinicaltrials.gov/

特に留意すべき項目:(4)、(7)

So what(意味すること): 患者団体には、UMIN・JAPIC・JMACCT・JRCT・PMDA・ClinicalTrials.gov など公的機関が公開する治験・臨床研究情報の案内をガイドライン条件に従って提供できる。未公開の社内データや独自の臨床成績を患者団体に提供することは想定されていない。

So why(なぜそう定めるか): 公的機関が開示している情報に限定することで、偏った情報による患者の誘導を防ぎ、情報の公正性(項目4・7)を確保できる。

解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意

本問はQ6(医師・薬剤師からの治験情報の求め)と平仄をあわせつつ、対象を「患者団体」に拡張した問いである。患者団体は医療関係者ではなく、ガイドラインの主な対象は医療関係者への情報提供であることを踏まえると、この設問は患者や市民に対する情報提供の範囲をどこまで認めるかの限界線を示す重要な問いといえる。

提供が認められるのは、公的機関が公開済みのデータベース情報(UMIN、JAPIC、JMACCT、JRCT、PMDA、ClinicalTrials.gov等)に限られる。患者団体が「未承認薬の開発が進んでいるか知りたい」と求めた場合、これら公的な治験登録情報の案内をガイドライン条件に従って提供することは可能であり、未公開の社内データや自社の開発戦略・臨床成績を提供することは想定されていない。

実務上の誤りとして多いのは、患者団体との関係性の中で「患者の期待に応えたい」という動機から、未公開の開発状況や非公開の試験データを共有してしまうケースである。患者団体は疾患啓発・政策提言等の社会的な役割を担っており、企業側も協力関係を築きやすい相手ではあるが、情報提供の範囲は医療関係者とは異なり、公開情報に限定されるという規制上の区別を厳格に守る必要がある。また、患者団体経由で患者個人に情報が伝わる可能性もあるため、公平性・完全性(項目4・7)の観点での慎重な対応が求められる。

出典: 厚労省 販提G Q&A(その2) 事務連絡 平成31年3月29日 Q27