第2 6 手順書・記録の作成・管理

Q(質問)

販売情報提供活動に係る業務記録の保管期間の目安はあるか。

A(厚生労働省の回答)

本ガイドラインにおいて、業務記録の作成が求められている趣旨及びその必要性を踏まえて、各社の状況に応じて適切に設定すること。

So what(意味すること): 法定の最低保管年数は本ガイドラインでは定められていない。各社は記録作成の趣旨(モニタリング・行政調査への対応)を踏まえ、自社判断で保管期間を設定する必要がある。

So why(なぜそう定めるか): 行政調査や紛争発生時に過去の活動内容を証明できなければ記録の目的が達成されないため、保管期間は実態上の必要性から逆算して設定すべきである。

解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意

業務記録の保管期間を法定しないこのQ&Aは、各社に実質的な判断を委ねているが、「業務記録の作成が求められている趣旨」という表現が重要なヒントを与えている。その趣旨はモニタリング・行政調査への対応・法的紛争への備えであり、それぞれの場面でいつまで記録が必要かを逆算することが合理的な保管期間設定の手法となる。

典型的な適用場面として、モニタリングサイクルが年2回の企業では直近2サイクル分(約1年)が参照可能であれば足りる場面がある一方、行政調査は調査着手から最終処分まで数年を要することもあり、その観点からは数年の保管が合理的である。医薬品医療機器法に基づく行政処分の時効に準じて保管期間を設定する企業もある。また、民事上の不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効(民法上は原則3年または10年)を考慮した保管期間設定も一つの実務的アプローチである。

誤りやすい点は、業務記録の保管期間を一律に設定し、保管コストの観点から過度に短くすることである。特に、不適切な情報提供に関する苦情が発生した後に関連記録が廃棄されていた場合、「証拠隠滅」の疑いを生む可能性がある。このため、苦情・クレームの発生や行政からの照会があった案件については、通常の保管期間を超えて記録を保持する例外的な保管延長ルールを手順書に定めることが実務上推奨される。

出典: 厚労省 販提G Q&A(その1) 事務連絡 平成31年2月20日 Q32