(3)情報提供可能な未承認薬・適応外薬等に関する使用情報(品質関係の情報)

Q(質問)

医師又は薬剤師から承認を受けていない簡易懸濁法に関する情報を求められた場合、どのような情報であれば情報提供可能か。

A(厚生労働省の回答)

A7と同様。

So what(意味すること): 簡易懸濁法に関する未承認品質情報もQ7と同一の条件が適用される。社内審査を経てガイドライン適合と判断した上で、試験条件・方法を含むデータとして提供する。

So why(なぜそう定めるか): 簡易懸濁法は嚥下困難患者への投与で多用される手技であり、品質情報の必要性はQ7と同等であるため、同一の扱いとしている。

解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意

簡易懸濁法は錠剤やカプセルを温湯に溶解・懸濁させてシリンジで投与する方法であり、経鼻栄養チューブや胃瘻(PEG)を介した投与が必要な患者に広く用いられている。腸溶性製剤や徐放性製剤では懸濁により薬物動態が大幅に変化する可能性があり、これは承認規格外の使用に当たる。Q8はQ7と同一のカテゴリとして扱われ、社内の安定性・懸濁適否データを試験条件とともに提供することが許容されている。

典型的な場面は、嚥下機能が低下した高齢患者や意識障害患者に対する投与管理を行う病棟看護師・薬剤師からの問い合わせ、または在宅医療の場での経腸栄養患者の薬剤管理について問われるケースである。「懸濁後○分以内に投与」「温湯の温度は○℃」といった試験条件付きのデータを提供することで、医療関係者が現場の状況と照合して判断できる情報が提供される。

誤りやすいのは、「同種同効薬が懸濁法で使用されているから問題ない」という類推で回答することである。製剤形態や添加剤の違いにより懸濁後の挙動は異なるため、個別製品の試験データなしに類推で可否を判断することは科学的根拠要件を満たさない。また、試験結果として「懸濁可能」と記載された社内資料であっても、その資料を提供する前にガイドライン適合の社内審査を経ていることが前提条件となる。

出典: 厚労省 販提G Q&A(その2) 事務連絡 平成31年3月29日 Q8