第4 3 未承認薬・適応外薬に関する情報提供
Q(質問)
未承認薬・適応外薬に関する情報提供はMRでも可能との理解でよいか。
A(厚生労働省の回答)
未承認薬・適応外薬等に関する情報提供は、通常の販売情報提供活動とは切り分けることとしており、かつ、専門的、科学的な妥当性が特に求められることから、通常の販売情報提供活動の担当者以外の適切に対応ができる立場の者が対応することが望ましいが、MRが通常の販売情報提供活動とは切り分けられた環境において、ガイドライン第4の3の(1)から(8)の条件を全て満たした上で対応することを否定するものではない。
So what(意味すること): MRによる対応は完全に禁止されているわけではないが、通常のMR活動から切り離された環境で、ガイドライン第4の3の(1)〜(8)の全条件を満たす場合のみ認められる。条件を一つでも欠けば不可。
So why(なぜそう定めるか): 未承認・適応外情報は科学的専門性が高く、誤った情報が患者に与えるリスクが大きいため、通常の販促活動と同じ枠組みでの対応を原則として排除しているため。
解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意
MRによる未承認・適応外情報の提供が「完全禁止ではない」と示したこのQ&Aは、同時に「容易には認められない」という高いハードルを明確にしている。ガイドライン第4の3の(1)〜(8)はそれぞれが独立した必要条件であり、一つでも欠ければMR対応は不可となる。このQ&Aを「MRでもできる」という方向で解釈することは誤りであり、「きわめて限定的な条件下でのみ可能」という方向で運用設計することが求められる。
典型的な適用場面として、稀少疾患や専門的な疾患領域において、メディカルアフェアーズ専門人材が少なく、MRが科学的情報を医師に伝えるざるをえない状況が考えられる。この場合でも、MRは「通常の訪問活動から完全に切り離された」別の場・別の時間帯において当該情報提供を行う必要があり、通常のMR訪問の延長として未承認・適応外情報を提供することは許されない。また、当該情報提供の前後に8条件の確認と記録が必要であり、これを担保する社内手続きの設計が先行しなければならない。
最も誤りやすい境界線は、「医師から強く求められた」「患者の治療上どうしても必要な情報だった」という理由で8条件の充足確認を省略するケースである。条件不充足のまま提供した情報は、たとえ医師の強い要請に応えるものであっても、ガイドライン違反となる。また、「切り分けられた環境」の解釈としては、物理的な場の切り分け(別室・別訪問等)だけでなく、組織上・記録上の切り分けも求められており、「同じ訪問の中で話が移った」という状況では切り分けが成立しない。
出典: 厚労省 販提G Q&A(その1) 事務連絡 平成31年2月20日 Q35