(2)情報提供可能な未承認薬・適応外薬等に関する使用情報(開発関係の情報)
Q(質問)
医師又は薬剤師から未承認薬や効能追加に関する開発の状況に関する情報(治験情報)を求められた場合、どのような情報であれば情報提供可能か。
A(厚生労働省の回答)
例えば、厚生労働省ホームページにおいて「国内での治験・臨床研究の情報」として紹介されているサイト(大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)、(一財)日本医薬情報センター(JAPIC)、(公社)日本医師会治験促進センター(JMACCT))の情報、臨床研究法に基づき公開されている医療機関等で実施される臨床研究(臨床研究実施計画・研究概要公開システム:JRCT)の情報、PMDAホームページで公開されている主たる治験及び人道的見地から実施される治験(拡大治験)の情報、ClinicalTrials.gov(https://www.clinicaltrials.gov/)の情報等を、本ガイドラインの条件に従って情報提供することは差し支えない。
特に留意すべき項目:(4)、(5)、(6)
So what(意味すること): 開発状況の情報として提供できるのは、UMIN・JAPIC・JMACCT・JRCT・PMDA・ClinicalTrials.gov など公的に公開されている治験・臨床研究情報に限られる。社内の未公開開発計画等を口頭で伝えることは想定されていない。
So why(なぜそう定めるか): 公的登録システムに掲載済みの情報は客観的に確認可能であるため、「科学的・客観的根拠に基づく正確な情報」という要件を満たしやすく、提供が認められる。一方、未公開社内情報は検証不能なため対象外。
解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意
開発中の薬剤や効能追加に関する情報は、公的登録システムに開示された情報と未公表の社内開発情報が混在する特殊な領域である。医師が治験への患者紹介の可能性を探ったり、新たな治療選択肢の見通しを確認したりする目的で企業に問い合わせることは多い。ガイドラインが提供を認めるのはUMIN・JAPIC・JMACCT・JRCT・PMDA・ClinicalTrials.gov等に公開されている情報に限られ、「公開されているから説明できる」という客観性の担保を通じて科学的根拠要件を満たしている。
典型的な場面は、自社製品の適応追加申請に向けた第III相試験が進行中の段階で、その疾患を専門とする医師から「いつ頃使えるようになるか」「現在どの施設で行われているか」と問われるケースである。この場合、JRCTやClinicalTrials.govに登録されている試験の実施施設・試験デザイン・組み入れ基準などの情報をそのまま案内することは可能である。一方、「社内では2028年の申請を目標にしている」といった未公表の開発スケジュールを口頭で伝えることは許されない。
誤りやすい境界線は、「公開情報の補足説明」として社内情報を加えてしまうことである。たとえば、公開中の治験概要を紹介した後に「実はもうすぐ中間解析が出る予定です」と付け加えることは、公開されていない情報の開示に当たる。また、「PMDA審査中」という事実は公開情報に基づいて伝えることができるが、審査の進捗状況や審査機関とのやり取りの内容は内部情報であり提供できない。
出典: 厚労省 販提G Q&A(その2) 事務連絡 平成31年3月29日 Q6