AIと希少疾病 ── 免疫・膠原病 ── 2026-10-28
自己炎症・免疫不全・希少な膠原病の治療・治験とAI
- Machine learning-based validation of Human Phenotype Ontology (HPO) terms for systemic autoinflammatory diseases using the Eurofever Registry: the ODINO project.抄録(全訳)
背景:全身性自己炎症性疾患(SAID)のヒト表現型オントロジー(HPO)用語は、2022 年に改訂された。しかし、実臨床のコホートでその診断精度はまだ検証されていない。
目的:SAID の大規模国際レジストリに登録された実臨床のコホートで、HPO 用語の診断精度を評価する。大規模国際レジストリの実臨床コホートで、HPO 用語の診断精度を機械学習(ML)で評価する。
方法:Eurofever レジストリ(EF)から、患者 2,576 例の臨床データと遺伝子データを抽出した。まれな疾患は症例数が少ないため、解析は 5 疾患に絞った。解析対象は、家族性地中海熱(FMF)、メバロン酸キナーゼ欠損症(MKD)、TNF 受容体関連周期性症候群(TRAPS)、クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)、PFAPA 症候群の 5 疾患とした。EF の臨床変数 223 項目を HPO 用語にコード化した。臨床変数 223 項目を HPO 用語に符号化し、HPO に対応する用語がない項目も含めた。教師あり ML モデルを学習させ、5 疾患を分類させた。モデルは Elastic Net、k 近傍法、ランダムフォレスト、XGBoost である。分類には多クラス法と一対他(OVR)法の両方を用いた。
結果:EF の用語のうち 185 項目は、HPO と完全に対応した。臨床的に重要なのに HPO に欠けていることが多い変数も、最終モデルに組み込んだ。「祖先(ancestry)」や「発熱期間(fever length)」がその例である。取り分けたテストデータでの XGBoost OVR モデルの再現率は、FMF 87.2%、PFAPA 90.4%、CAPS 81.1%、TRAPS 55.7%、MKD 55.6% であった。FMF 87.2%、PFAPA 90.4%、CAPS 81.1%、TRAPS 55.7%、MKD 55.6%。特徴量の重要度解析では、「発熱期間」が判別の鍵となる変数であった。誤り分析では、TRAPS の偽陰性例に、TNFRSF1A の R92Q バリアントを持つ患者が多かった。教師なし解析では、MEFV の病的変異を 1 つ持つ FMF 患者と 2 つ持つ患者は、明確には分かれなかった。
結論:HPO に基づく表現型モデリングは、本研究で扱った頻度の高い反復性発熱 5 疾患の正確な分類を支持する。HPO データベースには、欠けている用語を追加して充実させるべきである。特に「発熱期間」「祖先」と、Eurofever に基づく症状の頻度を加える必要がある。反復性発熱に対する、オントロジーに基づく診断ツールが利用可能になった。このツールは、臨床研究にも計算機環境にも適用できる。
掲載誌の IF 相当:5.6(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-26 時点の値、2026-10-28 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:Matucci-Cerinic C, Cavalca G, Vergani M, Caorsi R, van Gjin M, Boursier G, et al. Machine learning–based validation of Human Phenotype Ontology (HPO) terms for systemic autoinflammatory diseases using the Eurofever Registry: the ODINO project. Front Immunol. 2026 Oct 12;17:1936099. doi:10.3389/fimmu.2026.1936099.確認の範囲:抄録のみ確認