AIと神経難病・神経免疫疾患 ── 基礎(総論) ── 2026-10-28
神経変性・神経免疫の基礎研究の進展とAI
- OCT-Derived Radiomic Features for Differentiating Optic Neuritis Etiologies: An Unsupervised and Supervised Machine-Learning Approach.抄録(全訳)
目的:視神経炎(ON)で、光干渉断層計(OCT)の画像に基づくラジオミクス解析が実施できるかを評価する。あわせて、乳頭周囲網膜神経線維層(pRNFL)の OCT 画像から得たラジオミクス特徴量で、2 種類の視神経炎を見分けられるかを調べる。2 種類とは、多発性硬化症(MS)に伴う視神経炎(MS-ON)と、ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質(MOG)抗体関連疾患(MOGAD)に伴う視神経炎(MOGAD-ON)である。
デザイン:後ろ向きコホート研究。
対象:既存の Optic Neuropathies of la Timone コホートから、MS-ON または MOGAD-ON の患者を選んだ。組み入れたのは計 45 例(MS 28 例、MOGAD 17 例)で、視神経炎を起こした眼は 61 眼である。OCT 検査は計 266 件であった。
方法:pRNFL の OCT データにラジオミクスの解析パイプラインを適用し、画像の定量的な特徴量を抽出した。作成した特徴量は計 102 個で、特徴量選択の手法で絞り込んだ。教師なし・教師あり機械学習で、関連するラジオミクスのパターンを特定し、MS-ON と MOGAD-ON の鑑別能を評価した。そのうえで、MS-ON と MOGAD-ON をどの程度判別できるかを評価した。モデルは、ラジオミクス特徴量のみ、臨床変数のみ、両者の組み合わせの 3 通りで学習させた。ラジオミクス特徴量のみ、臨床変数のみ、両者の組み合わせである。 主要評価項目は、MS-ON と MOGAD-ON を見分ける機械学習モデルの診断性能で、AUC(受信者動作特性曲線下面積)で評価した。性能の評価には受信者動作特性曲線下面積(AUC)を用いた。
結果:抽出した 102 個のラジオミクス特徴量のうち、絞り込み後に 62 個が残った。さらに機械学習による解析で 3 個を選んだ。ラジオミクス特徴量を使った教師あり機械学習モデル(ロジスティック回帰)は、臨床変数だけのモデルより性能が高かった(AUC 0.763 対 0.584、P = 0.001)。ラジオミクスに臨床変数を組み合わせたモデルの AUC は 0.788 であった。これはラジオミクス単独(0.763)より数値上は高いが、有意差はなかった(P = 0.361)。組み合わせモデルは、臨床変数のみのモデルより引き続き有意に優れていた(P < 0.001)。
結論:本研究で、再現性のある OCT ラジオミクスのパイプラインを確立した。pRNFL の OCT データに教師なし・教師あり機械学習を適用できることを示した。ラジオミクス特徴量は、MOGAD-ON と MS-ON の鑑別を改善する有望な可能性を示す。 財務上の開示:専有的または商業的な開示事項は、論文末尾の脚注および開示の欄に記載されている。
掲載誌の IF 相当:3.3(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-26 時点の値、2026-10-28 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:El Mohyne H, David T, Mairot K, Demortière S, Appukuttan S, Borrelli M, et al. OCT-Derived Radiomic Features for Differentiating Optic Neuritis Etiologies. Ophthalmology Science. 2026 Nov;6(11):101401. doi:10.1016/j.xops.2026.101401.確認の範囲:抄録のみ確認