AIと希少疾病 ── 免疫・膠原病 ── 2026-10-09

自己炎症・免疫不全・希少な膠原病の治療・治験とAI
- Classification of cystoid macular edema status from retinal vasculitis fluorescein angiography images using a convolutional neural network抄録(全訳)
はじめに:嚢胞様黄斑浮腫(CME)は、網膜血管炎で起こり、視力を脅かす合併症である。網膜血管炎はまれな炎症性疾患のため、大規模な画像データを集めにくい。フルオレセイン蛍光眼底造影(FA)でCMEを見つけるには、専門医の読影が要る。そこで、臨床判断を支えるため、画像から自動で判定する手法が求められている。深層学習、特に畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、医用画像解析で高い性能を示してきた。ただし希少疾患では、ラベル付きのデータが少なく、それが制約になる。転移学習では、事前学習済みのモデルを、課題に合わせた小さなデータセットに適応させる。これでこの制約を和らげられる可能性がある。
方法:網膜血管炎の患者117例から、匿名化した後期相の55° FA画像207枚を集めて解析した。主な評価対象は、FAと同じ受診時点で確認された、患者単位のCMEの有無とした。CMEの有無は、FAと同じ受診時の診療記録と光干渉断層計(OCT)を専門医が確認して判定した。少なくとも片眼にCMEがあれば、その患者をCME陽性とした。モデルには、ImageNetで事前学習したResNet-18を使った。評価には、患者単位で分けた5分割の入れ子交差検証を用いた。外側の各開発コホートの中では、144通りの候補設定を内側の4分割交差検証で比べた。設定は、内側検証でのAUROC(受信者動作特性曲線下面積)の平均値で選んだ。選ばれた設定は、対応する外側テスト分割のみで評価した。この分割は、設定の選択の過程で一度も用いていない。
結果:外側テストで得た患者単位の予測117件をまとめて評価した。このモデル選択パイプラインのAUROCは0.708(95% 信頼区間 0.610〜0.802)であった。AUPRC(適合率–再現率曲線下面積)は0.626(95% 信頼区間 0.493〜0.755)であった。正解率は0.726(95% 信頼区間 0.641〜0.803)であった。感度は0.694(95% 信頼区間 0.558〜0.822)であった。特異度は0.750(95% 信頼区間 0.643〜0.853)であった。F1スコアは0.680(95% 信頼区間 0.563〜0.780)であった。探索的にGrad-CAM解析を行い、モデルの予測に関連する領域を可視化した。 考察 入れ子型のモデル選択パイプラインの識別能は中等度であった。感度と特異度は比較的釣り合っており、特異度が感度よりやや高かった。ただし、臨床上問題となる偽陽性と偽陰性の誤りがあった。外部検証も行っていない。このため、臨床での実用化はできない。
掲載誌の IF 相当:2.1(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-08 時点の値、2026-10-09 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:Wang C, Chakrabarty K, Anesi SD, Chang PY. Classification of cystoid macular edema status from retinal vasculitis fluorescein angiography images using a convolutional neural network. Front Ophthalmol. 2026 Oct 7;6:1901237. doi:10.3389/fopht.2026.1901237.確認の範囲:抄録のみ確認