AIと神経難病・神経免疫疾患 ── 基礎(総論) ── 2026-10-29
神経変性・神経免疫の基礎研究の進展とAI
- Deep learning models to detect neurodegenerative diseases across different modalities, datasets, and stages: A systematic review.抄録(全訳)
背景:アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患は根治できず、診断が難しい。症状は正常な加齢による変化と重なることが多い。また、これらの疾患では神経細胞が進行性に失われる。そのため、どの病期でも、早期の予測、正確な診断、継続的な経過観察が欠かせない。深層学習は、さまざまな種類のデータを扱える有用な手段になった。ただし、その性能はデータをどれだけ入手できるか、どれだけ多様かに大きく左右される。このため、データセットの特徴を整理することが重要である。
目的:本レビューは PRISMA に基づく系統的レビューである。2019 年から 2026 年 4 月までの 111 研究を対象とした。研究は、神経変性疾患の三つの臨床段階(早期予測・診断・進行)に分けて整理した。
方法:各研究を四つの観点で評価した。データの種類(神経画像か、神経画像以外か)、データセット(公開、独自作成、両者の併用)、深層学習モデルの構造、説明可能な AI(XAI)の使用である。
結果:三つの段階すべてで使われていた画像モダリティは MRI だけだった。神経画像以外では、診断で最も多く使われていたのは音声である。歩行は診断と進行の段階でしか使われていなかった。データセットでは ADNI と PPMI が最も多く使われていた。独自作成のデータセットでは、心電図(ECG)や人工多能性幹細胞(iPSC)などの新しいモダリティが使われていた。これらは公開データセットにはない。神経画像の課題では、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)が主流だった。縦断データセットでは、LSTM と再帰型ニューラルネットワーク(RNN)が時間的なパターンをとらえていた。生存モデルは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と辺縁系優位型加齢関連 TDP-43 脳症(LATE)にだけ使われていた。XAI の使用が確認できた研究は 6% 未満だった。独立した外部コホートで結果を検証した研究は、111 件中 2 件だけだった。 結論
掲載誌の IF 相当:2.5(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-28 時点の値、2026-10-29 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:Poddar K, Wahi C. Deep learning models to detect neurodegenerative diseases across different modalities, datasets, and stages: A systematic review. Technology and Health Care. 2026 Oct 28 [Epub ahead of print]. doi:10.1177/09287329261502060.確認の範囲:抄録のみ確認