AIと希少疾病 ── 循環器・呼吸器 ── 2026-11-04
希少な循環器・呼吸器疾患の治療・治験とAI
- Positive-call rates and agreement of two artificial intelligence electrocardiogram models for hypertrophic cardiomyopathy and cardiac amyloidosis in competitive athletes.抄録(全訳)
背景:人工知能を用いた心電図(AI-ECG)モデルは、臨床の患者集団で肥大型心筋症(HCM)と心アミロイドーシスを検出する。別々に開発された2つのモデルの判定がアスリートで一致するかどうかは、まだ分かっていない。
方法:40歳以下の競技アスリート716人のスクリーニング心電図(ECG)に、別々に開発された2つのAI-ECGモデルを当てはめた。対象者は心電図だけでスクリーニングされており、構造的心疾患はないと推定されていた。RSTアルゴリズムは疾患ごとに確率を出し、公表済みのカットオフ値で陽性か陰性かに分ける。AZモデルは心電図画像を4つのクラスに分ける分類器で、1枚の心電図に1つのクラスを割り当てる。主要評価項目は、HCMと心アミロイドーシスについての各モデルの陽性判定率(陽性とされたアスリートの割合)とした。一致度は、Cohenのκ係数と陽性一致率で記述した。コホートは疾患がないと推定されていたため、感度は評価していない。
結果:年齢の中央値は22.1歳で、86.0%が男性であった。RSTアルゴリズムでは、HCM陽性が13人(1.8%、95% 信頼区間 1.0〜3.1)、心アミロイドーシス陽性が2人(0.3%、0.0〜1.0)であった。AZモデルでは、HCM陽性が29人(4.1%、2.7〜5.8)、心アミロイドーシス陽性が18人(2.5%、1.5〜3.9)であった。どちらかのモデルで陽性とされたのは60人で、両方で陽性とされたのは2人だけであった(κ係数 0.07と-0.01、陽性一致率 0.10と0.00)。HCMについては、両モデルの連続値の出力に相関がなかった(Spearmanのρ 0.00)。陽性とされたアスリートのうち59人には、国際基準に沿った循環器専門医の判読が記録されていた。この59人のうち39人は心電図が正常であった。AZモデルが心アミロイドーシス陽性とした18件は、すべて男性であった。
結論:2つのモデルは、陽性とするアスリートも、陽性とする割合も異なっていた。確定した症例がないため、これらの割合が表すのは精査に回す負担であり、精度ではない。どちらかのモデルで疾患を検出できるかどうかは、確定診断と照らし合わせて検証する必要がある。
掲載誌の IF 相当:2.5(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-11-03 時点の値、2026-11-04 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:de Sousa Barzon Serra V, Zanco J, de Souza BL, Crystal OR, Nabi HA, Ibrahim R, et al. Positive-call rates and agreement of two artificial intelligence electrocardiogram models for hypertrophic cardiomyopathy and cardiac amyloidosis in competitive athletes. International Journal of Cardiology. 2026 Nov [Epub ahead of print]. doi:10.1016/j.ijcard.2026.135035.確認の範囲:抄録のみ確認