AIと希少疾病 ── 遺伝性症候群・小児 ── 2026-11-01

遺伝性の症候群・小児の希少疾病の治療・治験とAI
- A multimodal machine learning model for predicting reproductive outcomes in the rare congenital hypogonadotropic hypogonadism after treatment.抄録(全訳)
目的:先天性低ゴナドトロピン性性腺機能低下症(CHH)は希少疾患であり、精巣容積は治療効果を評価する重要な指標である。本研究は、CHH 患者の治療後に精巣容積が 4 mL を超えるかを予測する、マルチモーダル機械学習モデルの構築を目的とした。モデルには臨床データ、精巣超音波検査、下垂体磁気共鳴画像(MRI)のラジオミクス特徴量を統合する。
方法:2015〜2024 年の男性 CHH 患者 66 例を後ろ向きに組み入れた。追跡期間は 12〜36 か月である。全例がゴナドトロピン療法または GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)パルスポンプ療法を受けた。受診時の情報を系統的に集め、追跡期間中の精巣容積の最大値を転帰とした。臨床情報、初診時の精巣超音波画像、下垂体 MRI 画像を用いて複数の機械学習予測モデルを作り、10 分割交差検証で評価した。モデルの性能は Delong 検定で比較した。モデルの解釈可能性は、SHapley Additive exPlanations(SHAP)を用いて解析した。
結果:治療後に精巣容積が 4 mL を超えたのは 28 例であり、これは生殖転帰が良好であることを示す。予測性能が最も高かったのは、すべての情報を統合したマルチモーダルモデルであった。その受信者動作特性曲線下面積(AUC)は 0.932(95% 信頼区間 0.891〜0.997)で、臨床モデルの AUC 0.863(95% 信頼区間 0.747〜1.000)を上回った。超音波のラジオミクス特徴量のみを用いたモデルの最良の AUC は 0.798(95% 信頼区間 0.697〜1.000)であった。MRI のみでは 0.680(95% 信頼区間 0.526〜0.868)であった。超音波と MRI を組み合わせた画像モデルの AUC は 0.759(95% 信頼区間 0.510〜0.969)であった。マルチモーダルモデルで SHAP の順位が上位 10 位までの特徴量は、超音波由来が 2 個、MRI 由来が 1 個、臨床変数由来が 7 個であった。 臨床因子に超音波と MRI のラジオミクス特徴量を統合したマルチモーダルモデルは、CHH 患者の治療後の生殖転帰の予測において良好な性能を示した。
掲載誌の IF 相当:3.8(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-31 時点の値、2026-11-01 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:Li X, Ruan C, Wu Z, Wang S, Liang T, Pan D, et al. A multimodal machine learning model for predicting reproductive outcomes in the rare congenital hypogonadotropic hypogonadism after treatment. BMC Med Imaging. 2026 Aug 4;26(1):564. doi:10.1186/s12880-026-02634-3. PMID: 42963540.確認の範囲:抄録のみ確認