AIと神経難病・神経免疫疾患 ── 多発性硬化症 ── 2026-11-01
多発性硬化症 1 本。筆頭: ゲノムと医用画像のデータを用いた人工知能による多発性硬化症の診断:レビュー
多発性硬化症の治療・治験とAI
- Artificial intelligence-driven multiple sclerosis diagnosis using genomic and medical imaging data: a review抄録(全訳)
多発性硬化症(MS)は、免疫が介在する中枢神経系の疾患である。臨床症状は多様で、神経変性が進行し、疾患の経過にも大きなばらつきがある。
近年、人工知能(AI)、特に機械学習(ML)の手法が進歩し、MS の診断とリスク予測は向上した。しかし、既存の AI による MS 診断の可能性に焦点を当てた包括的なレビューは、まだ少ない。
そこで本研究では、AI モデルによるマルチモーダルデータの活用を調べた。目的は、診断精度の向上、疾患進行の評価、個別化ケア戦略の最適化である。
本レビューは PRISMA ガイドラインに沿い、26 研究を対象とした。対象は、MRI に基づく解析、網膜 OCT 画像、血液トランスクリプトーム、SNP ジェノタイピング、マルチモーダルな臨床データセットを扱う研究である。MRI に基づく解析、網膜の光干渉断層撮影(OCT)画像、血液トランスクリプトミクス、一塩基多型(SNP)のジェノタイピング、マルチモーダルな臨床データセットである。
これらの研究は、データの種類(モダリティ)別にも分類した。さらに、データセットの規模、性能指標、バイオマーカー、方法論の頑健性、モデルの解釈可能性の観点から評価した。
その結果、診断性能が際立って高い傾向が一貫してみられ、医用画像とゲノムデータを用いて精度が 95% を超えるモデルもあった。医用画像とゲノムのデータを用いて、正解率が 95% を超える AI モデルもあった。しかし、外部検証と解釈可能性の手続きが限られており、臨床での適用可能性と信頼性には隔たりがある。
本レビューは、AI が MS の診断を大きく変えうる可能性を高めていることを示している。
掲載誌の IF 相当:2.6(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-08 時点の値、2026-10-09 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:Wahab Sait AR, Alkhurayyif Y. Artificial intelligence-driven multiple sclerosis diagnosis using genomic and medical imaging data: a review. Front Med. 2026 Oct 29;13:1812134. doi:10.3389/fmed.2026.1812134.確認の範囲:抄録のみ確認