AIと希少疾病 ── 循環器・呼吸器 ── 2026-11-01
希少な循環器・呼吸器疾患の治療・治験とAI
- Automated methods for assessing structural lung disease in patients with cystic fibrosis and primary ciliary dyskinesia: a scoping review抄録(全訳)
嚢胞性線維症(CF)と原発性線毛機能不全症候群(PCD)は、主に呼吸器系を侵す希少な遺伝性疾患であり、気管支拡張症に至ることがある。反復する肺感染症、咳、粘液を排出しにくいことなど、症状も似ている。胸部コンピュータ断層撮影(CT)は、CF と PCD のいずれでも構造的肺病変の評価に広く使われている。
構造的肺病変の解釈の仕方を統一しようと、半定量・定量のスコアリングツールが開発された。目的は診断、進行のモニタリング、治療反応の評価である。しかし、手作業のスコアリングは時間と手間がかかり、主観も入る。その精度は、解析を行う放射線科医の専門知識と経験に左右される。人工知能(AI)の進歩により、こうした課題を軽減する自動 CT スコアリング手法が複数、学術文献で報告されるようになった。
本レビューでは、査読済み論文 50 報の知見を統合し、次の 3 点に取り組んだ。第一に、CF と PCD の患者における構造的肺変化の評価に用いる自動 CT スコアリング手法の動向を調べた。第二に、臨床グレードのシステムを開発するうえでの現在の課題を特定した。第三に、既存の研究を成熟した技術へ進めるための今後の研究の方向性を提案した。
その結果、このテーマへの関心は、アルゴリズム開発の面でもデータの入手しやすさの面でも比較的低いことが分かった。対象研究のうち、PCD を扱ったものは 2 報のみであった。さらに、規制当局の承認を受けたソリューションは現時点で報告されていない。
本稿では、これまでの進展、関連分野と比べた動向、研究上の不足点、今後の研究の方向性をまとめた。本稿は、CF と PCD の評価に向けた、完全自動で臨床水準の構造的肺疾患スコアリングシステムの開発に至る道筋について、研究者と臨床医に有益な知見を示す。
臨床試験番号: 該当なし。
掲載誌の IF 相当:2.9(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-31 時点の値、2026-11-01 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:Fante KA, Anagnostopoulou P, Yiallouros P, Robinson P, Vavourakis V. Automated methods for assessing structural lung disease in patients with cystic fibrosis and primary ciliary dyskinesia: a scoping review. BMC Pulm Med. 2026 Oct 30 [Epub ahead of print]. doi:10.1186/s12890-026-04857-0.確認の範囲:抄録のみ確認