AIとがん研究 ── 2026-10-11
がんと AI に関わる新しい論文を、各誌のホームページの配信・PubMed(誌を問わない検索)・OpenAlex(Google Scholar の代わりの公開の索引)から集め、Jev(言葉の判断をする AI)が「原著研究か」「AI が中心か」「13 のテーマのどれか」「治療・治験に関わるか」を判定し、重要度の高いものから 1 日の上限まで選んだ一覧です。誌の IF では絞らず、論文ごとに掲載誌の IF 相当(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数)とその時点を示します。各論文の抄録(アブストラクト)を全文和訳して載せています(Claude による機械翻訳。原文は題のリンク先)。
がん種別に読む: がん一般(2) · 乳がん(2) · 肺がん(1) · 膵がん(0) · 前立腺がん(2) · 腺様嚢胞癌(0) · 脳腫瘍(1) · 卵巣がん(0) · 子宮体がん(0) · 胃がん(0) · 肝臓がん(2) · 腎臓がん(0) · 膀胱がん(0)
がん一般の分子生物学の進展とAI
- A grayscale ultrasound-based two-stage deep learning framework for automatic segmentation and benign-malignant differentiation of subpleural pulmonary lesions抄録(全訳)
背景:肺がんは、世界で最も死亡率の高いがんの一つである。胸膜下の悪性病変と良性の感染性病変は、グレースケール超音波では正確に見分けるのがまだ難しい。判定が検査者の主観に左右されるためである。そこで、二段階の深層学習フレームワークを開発し、検証した。一段階目で病変の領域を自動で抽出(セグメンテーション)し、二段階目で良悪性を分類する。
方法:後ろ向き研究である。対象は胸膜下肺病変(SPL)の患者とした。施設 1 からは、2023 年 1 月〜2024 年 12 月の受診者を集めた。施設 2 と施設 3 からは 2024 年 6 月〜12 月に患者を集め、それぞれ外部テストセット 1、2 とした。病変のセグメンテーションには、nnU-Net、U-Net、DeepLabv3+ を用いた。良悪性の分類には、DenseNet121/201、EfficientNet-B0/B1/B2/B3/B4/B5、ResNet18/50/101、Inception-V3、VGG19 を用いた。モデルの性能は、ダイス類似係数(Dice)や受信者動作特性曲線下面積(AUC)などで評価した。読影には、経験の異なる放射線科医 6 人(若手 3 人、熟練 3 人)が参加した。AI 支援なしの読影と AI 支援ありの読影で、診断能を比べた。読影医 3 人分をまとめた差は、症例単位のクラスター・ブートストラップ法で推定し、ボンフェローニ補正を行った。多重性はボンフェローニ法で補正した。
結果:対象は 1059 人で、年齢は 61.32 ± 13.82 歳、男性は 726 人であった。セグメンテーションでは、nnU-Net の成績が最も良かった。Dice は、調整・検証セット(n = 257)で 0.920 であった。外部テストセット 1(n = 108)では 0.913、外部テストセット 2(n = 94)では 0.915 であった。分類では 13 種の候補構造を比べた。内部の調整・検証セットで最も成績が良かった DenseNet121 を、最終モデルに選んだ。続いて、2 つの外部コホートで評価した。AUC は外部テストセット 1 で 0.889(95% 信頼区間 0.827〜0.951)であった。外部テストセット 2 では 0.865(95% 信頼区間 0.790〜0.940)であった。若手放射線科医では、AI 支援ありの読影で全体の診断精度が有意に高かった。この結果は、2 つの外部テストコホートのどちらでも認められた(ボンフェローニ補正後 P はいずれも < 0.001)。熟練放射線科医でも精度は向上したが、多重性を補正すると統計的に有意ではなかった。 結論このモデルは、補助診断ツールとなる可能性がある。 試験登録
掲載誌の IF 相当:3.8(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-02 時点の値、2026-10-03 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:Ma Q, Liang T, Yi J, Bai H, Li Y, Shen M, et al. A grayscale ultrasound-based two-stage deep learning framework for automatic segmentation and benign-malignant differentiation of subpleural pulmonary lesions. BMC Med Imaging. 2026 Oct 9 [Epub ahead of print]. doi:10.1186/s12880-026-02887-y.確認の範囲:抄録のみ確認 - An ensemble framework for robust drug response prediction and large-scale sensitivity profiling across cancers抄録(全訳)
がんが治療にどう応答するかを予測するのは、まだ難しい。腫瘍は多様であるうえ、計算モデルは学習していない薬剤や検体では成績が落ちやすいためである。本研究で、深層学習モデルの精度は条件によって変わることが分かった。精度を左右したのは、分子データの入力、薬剤の記述方法、モデルの設計、評価の条件である。精度が最も大きく落ちたのは、学習時に含まれない薬剤や、別のデータセットで試験した場合であった。そこで、メタ学習フレームワーク Drug Response Integration and Voting Ensemble(DRIVE)を開発した。ホールドアウトデータに対する予測を使って、複数のモデルを組み合わせる手法である。9 モデルのアンサンブルでは、個々のモデルや他のアンサンブル手法と比べ、予測精度が向上した。薬剤の順位付けと安定性も向上した。このフレームワークは、再現可能な Nextflow ワークフローとして実装した。これを用いて、薬剤応答の実測値と予測値をまとめたリソースを作った。対象は、がん細胞株、患者由来検体、化合物ライブラリである。大腸がんでは、このフレームワークで治療法の候補を見つけた。これらの抗腫瘍活性は、細胞モデルと動物モデルで確認された。この手法は、治療法探索のための拡張性のある方策となる。
本研究では、薬剤応答モデルのベンチマークを行った。そのうえで、大規模ながん薬剤感受性予測のためのメタ学習アンサンブル DRIVE を開発した。DRIVE は頑健性を高める。また、大腸がんで抗腫瘍活性が検証された化合物を優先的に選び出した。
掲載誌の IF 相当:6.6(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-10 時点の値、2026-10-11 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:Feng Y, Zhou S, Luo S, Feng B, Wu H, Zeng Y, et al. An ensemble framework for robust drug response prediction and large-scale sensitivity profiling across cancers. Commun Biol. 2026 Oct 8 [Epub ahead of print]. doi:10.1038/s42003-026-11124-9.確認の範囲:抄録のみ確認
乳がんの治療・治験とAI
- Ultrasound-based deep learning-derived radiomics for preoperative prediction of sentinel lymph node metastasis in invasive breast cancer: a two-center retrospective study抄録(全訳)
浸潤性乳がん(IBC)では、センチネルリンパ節(SLN)転移を術前に評価できれば、腋窩の治療を患者ごとに決めやすくなる。本研究の目的は、SLN 転移を予測するモデルを作り、外部で検証することである。モデルには、深層学習で得た超音波ラジオミクスを用いる。2 施設の後ろ向き研究で、病理学的に IBC と確定した 246 人を登録した。施設 A の 194 人は、訓練コホート(n = 155)と内部テストコホート(n = 39)に分けた。施設 B の 52 人は外部検証コホートとした。術前の超音波画像から、ResNet50 で深層特徴量を抽出した。訓練コホート内で特徴量を選んだのち、勾配ブースティング決定木で分類器を作った。モデルの識別能は、受信者動作特性(ROC)解析で評価した。決定曲線分析は、正味の利益を探索的に評価するために用いた。最終的に、深層学習由来の特徴量 22 個が残った。受信者動作特性曲線下面積(AUC)は、訓練コホートで 0.734(95% 信頼区間 0.655〜0.813)であった。内部テストコホートでは 0.761(95% 信頼区間 0.601〜0.920)であった。外部検証コホートでは 0.742(95% 信頼区間 0.598〜0.886)であった。外部コホートでの正確度は 0.769、感度は 0.650、特異度は 0.844 であった。陽性的中率(PPV)は 0.722、陰性的中率(NPV)は 0.794 であった。決定曲線は探索的なものであり、臨床的な有用性を示すものではない。SLN 転移に対するモデルの識別能は中程度であった。AUC の点推定値はコホート間で近かったが、信頼区間は広かった。このモデルで得られるのは、予備的な識別とリスクの順位付けだけである。現時点では、臨床判断には使えない。臨床で使う前に、より大きなコホートで前向きに検証する必要がある。
掲載誌の IF 相当:3.8(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-02 時点の値、2026-10-03 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:He K, Qiu Y, Zeng B, Huang Z, Lin J, Chen J, et al. Ultrasound-based deep learning-derived radiomics for preoperative prediction of sentinel lymph node metastasis in invasive breast cancer: a two-center retrospective study. BMC Med Imaging. 2026 Oct 9 [Epub ahead of print]. doi:10.1186/s12880-026-02919-7.確認の範囲:抄録のみ確認 - Artificial Intelligence Model’s assessment of intra-sample heterogeneity of HER2 IHC in breast cancer is related to interobserver and intraobserver agreement among pathologists抄録(全訳)
乳がんでは、HER2 の状態を正確に評価することが治療方針の決定に欠かせない。抗体薬物複合体が登場し、HER2 低発現の腫瘍にも適応となった。このため、その重要性はさらに増している。しかし、HER2 免疫組織化学染色(IHC)のスコアは、病理医の間でも、同じ病理医の中でもばらつく。そのため、スコアの再現性には限界がある。人工知能(AI)モデルには、診断を標準化し、精度を高める可能性がある。AI モデルは、現在の診療の弱点について新たな知見をもたらす可能性もある。
本研究では、ブラジル各地の Rede D'Or の施設から、一般病理医と専門病理医を募った。病理医には、デジタル化した HER2 IHC のホールスライド画像を評価してもらった。同じ画像を、1 か月の間隔をおいて病理医に再び示した。同じ画像を、AI モデル AIM-HER2(PathAI®、米国マサチューセッツ州ボストン)にも評価させた。乳がん検体 126 件で、観察者内・観察者間の一致度と、AI との一致度を測った。また、AI による空間的な内訳データを用いて、検体の特徴と一致度の指標との関連を調べた。
病理医の観察者内一致度の中央値は 66.67% であった。AI との一致度の中央値は 60.8% であった。観察者間一致度の中央値は 67.65% であった。一致度が高かった(85% 超)のは、検体の 25.4% であった。すべての一致度の指標の間に、有意な正の相関がみられた。AI の空間的内訳スコアで検体内不均一性が低いと判定された検体は、一致度の高さと関連していた。
この結果から、病理医による HER2 IHC スコアには大きなばらつきがあることが分かる。AI で評価した検体内不均一性は、病理医間の一致率の低さと相関していた。著者らは、これが現在のスコア判定方法の限界を示す可能性があると考えている。また、AIM-HER2 などの AI モデルは、評価者の間で診断が食い違いやすい検体を示せる。それによって、解析の再現性を高める役割を果たしうると著者らは考えている。
掲載誌の IF 相当:3.9(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-09 時点の値、2026-10-10 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:Ferrari P, Petaccia de Macedo M, Werneck da Cunha I, Soares-Souza GB, Soares FA, Breast Cancer Cooperative Study Group, et al. Artificial Intelligence Model’s assessment of intra-sample heterogeneity of HER2 IHC in breast cancer is related to interobserver and intraobserver agreement among pathologists. BMC Cancer. 2026 Oct 9 [Epub ahead of print]. doi:10.1186/s12885-026-17049-0.確認の範囲:抄録のみ確認
肺がんの治療・治験とAI
- Characterization of radiation-induced esophagitis using explainable machine learning algorithms for lung cancer patients treated in the NRG/RTOG 0617clinical trial抄録(全訳)
局所進行非小細胞肺がんの化学放射線療法では、急性食道炎を抑えることがまだ難しい。本研究は、Radiation Therapy Oncology Group 0617 臨床試験で治療を受けた患者 451 例を対象とした。機械学習(ML)アルゴリズムを使い、急性食道炎を予測した。症例は訓練セット(70%)と独立したテストセット(30%)に分けた。
グレード 2 以上の食道炎を予測するため、複数の ML モデルを訓練した。使った特徴量は臨床、ラジオミクス、線量/ドジオミクスの 3 種類である。モデルの性能は受信者動作特性曲線下面積(AUC)で評価した。最も性能の高いモデルについては、Shapley additive explanation の枠組みと決定曲線解析を用いて説明した。
精度が最も高かったのは、ラジオミクス–ドジオミクス特徴量に基づく least absolute shrinkage and selection operator モデルであった(AUC = 0.70、95% 信頼区間 0.60〜0.78)。腫瘍の位置に対する食道の幾何学的配置を考慮した新しいモデルも作った。このモデルは線量体積ヒストグラムの関係を用いており、AUC は 0.67(95% 信頼区間 0.58〜0.76)であった。
ML モデルで重要な関係が分かった。これらの関係は、個々の患者のリスクを最小にする放射線の線量計画の指針になりうる。個別化放射線治療を進めることにも役立ちうる。
掲載誌の IF 相当:1.5(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-10 時点の値、2026-10-11 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:Upadhaya T, Chetty IJ, Lui J, Atkin KM. Characterization of radiation-induced esophagitis using explainable machine learning algorithms for lung cancer patients treated in the NRG/RTOG 0617clinical trial. AIH. 2026 Oct 8;0(0):026220054. doi:10.36922/aih026220054.確認の範囲:抄録のみ確認
膵がんの治療・治験とAI
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前立腺がんの治療・治験とAI
- A machine learning–derived E2F-G2M signature for prognostic stratification and therapeutic targeting in aggressive prostate cancer抄録(全訳)
前立腺がん(PCa)は、臨床像のばらつきがきわめて大きい。しかし、現在の予後予測ツールでは、悪性度の高い進行を駆動する分子要因をとらえきれない。E2F が駆動する増殖と G2/M チェックポイント制御は、機能的に互いに作用し合う。この相互作用は、細胞周期の調節異常と DNA 損傷修復への依存とを結ぶ中核の軸である。それでも、この相互作用(クロストーク)をとらえる統合シグネチャーはまだない。
著者らは独自の AutoML R パッケージを開発した。このパッケージを使い、複数の独立した PCa コホートで予後モデルを系統的に構築し、性能を比べた。こうして統合 E2F-G2M シグネチャーを確立し、計 1,128 例からなる 5 つの独立コホートで検証した。さらに、ゲノムの特徴解析、薬剤感受性の予測、実験的検証を行った。E2F-G2M シグネチャーの生物学的特徴と治療上の意味を調べるため、ゲノム解析、薬剤感受性の予測、実験的検証を行った。
E2F 経路と G2/M 経路は、いずれも PCa の進行に伴って一貫して活性化していた。どちらの経路も、それぞれ独立に不良な転帰を予測した。統合 E2F-G2M シグネチャーの C-index は、外部 PCa コホート 4 つで平均 0.78 であった。この値は、単一経路のモデル、従来の臨床変数、既報のシグネチャーのいずれよりも高かった。
E2F-G2M 高値の腫瘍では、がん抑制遺伝子の変化が繰り返し認められた。AR シグナルの減弱や、神経内分泌様の特徴もみられた。また、E2F-G2M 高値の腫瘍は PARP 阻害薬に感受性を示した。一部の複製ストレス標的薬(ATR 阻害薬、WEE1 阻害薬、CHK1/2 阻害薬)にも感受性を示した。一方、CDK4/6 阻害薬と ATM 阻害薬への感受性は低かった。E2F 関連の細胞周期プログラムと G2/M チェックポイント制御をともに標的とする併用戦略も調べた。その相乗効果は状況に依存し、RB1 の状態と関連していた。
統合 E2F-G2M シグネチャーは、悪性度の高い PCa の表現型をとらえる頑健な予後予測の枠組みであり、治療上の脆弱性となりうる標的も示す。
掲載誌の IF 相当:10.3(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-10 時点の値、2026-10-11 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:Wang L, Wang L. A machine learning–derived E2F-G2M signature for prognostic stratification and therapeutic targeting in aggressive prostate cancer. Cell Commun Signal. 2026 Oct 9 [Epub ahead of print]. doi:10.1186/s12964-026-03276-2.確認の範囲:抄録のみ確認 - Interpretable Machine Learning Prognostic Model Integrating Inflammatory-Nutritional Biomarkers for Post-Prostatectomy Biochemical Recurrence: Development, Internal Validation, and Translational Target Exploration抄録(全訳)
目的:腹腔鏡下前立腺全摘除術(LRP)後の生化学的再発(BCR)は、前立腺がん(PCa)患者の長期生存に大きく影響する。本研究の目的は二つある。一つは、無再発生存期間(RFS)を予測する解釈可能な機械学習モデルを開発し、検証することである。モデルには臨床病理学的特徴と、術前の炎症・栄養指標を統合する。もう一つは、分子治療標的の候補を探ることである。
方法:首都医科大学附属北京朝陽医院で LRP を受けた PCa 患者 320 例の後ろ向きコホートを解析した。LRP 前の人口統計学的変数、臨床病理学的変数、7 つの複合炎症・栄養指標を統合した。解析には Mime を基盤とする機械学習の生存解析パイプラインを用いた。このパイプラインは、Cox 回帰に基づく特徴量選択と生存解析アルゴリズムを組み合わせたものである。 モデルの性能は、一致指数(C-index)、時間依存 ROC、較正曲線、決定曲線解析(DCA)で評価した。モデルの解釈と臨床上のカットオフ値の導出には、SHAP(SHapley Additive exPlanations)を用いた。さらに、BCR、リンパ球・単球比(LMR)、予後栄養指数(PNI)に共通する遺伝子を GeneCards で特定した。そのうえで、薬剤感受性スクリーニングと分子ドッキングを行った。
結果:StepCox[both] とランダムサバイバルフォレストを組み合わせたモデルの性能が最も高く、検証での C-index は 0.788 であった。SHAP 解析で、再発を予測する上位 5 因子が分かった。術前 LMR、PNI スコア、術後 Gleason スコア 8 以上、切除断端陽性、脈管侵襲である。モデルから導いたカットオフ値は、LMR = 3.9、PNI = 48.8 であった。 BCR、LMR、PNI に共通する標的が、GeneCards を用いた共通部分の解析で 1211 個見つかった。上位は TP53 と PTEN であった。薬剤感受性解析と分子ドッキングから、sabutoclax や dordaviprone などの化合物がこれらの標的に抑制的に働く可能性が示された。
結論:本モデルは、術後 PCa 患者に対する頑健で解釈可能なリスク層別化に役立つ可能性がある。臨床的な表現型の評価と探索的な分子ドッキングを組み合わせることで、予後指標から治療仮説の候補へとつながる道筋が示された。さらなる前向きの検証が必要である。
掲載誌の IF 相当:3.5(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-10 時点の値、2026-10-11 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:Wang H, Zhang Y, Li Z, Wu J, Cao H, Gan L, et al. Interpretable Machine Learning Prognostic Model Integrating Inflammatory-Nutritional Biomarkers for Post-Prostatectomy Biochemical Recurrence: Development, Internal Validation, and Translational Target Exploration. Curr Oncol. 2026 Oct 9;33(10):608. doi:10.3390/curroncol33100608.確認の範囲:抄録のみ確認
腺様嚢胞癌の治療・治験とAI
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脳腫瘍の治療・治験とAI
- AI-Based Prognostic Risk Stratification of Adult-Type Diffuse Glioma Patients from H&E-Stained Slides抄録(全訳)
背景・目的: 成人型びまん性神経膠腫(ADG)は悪性度の高い脳腫瘍で、臨床転帰のばらつきが大きい。日常的な H&E 染色の全スライド画像(WSI)から直接予後を評価できれば、個別化した意思決定を支えうる。それができれば、個別化した意思決定に役立つ可能性がある。
方法:2021 年 WHO 分類に基づく ADG を対象に、病理基盤モデル(FM)と多重インスタンス学習(MIL)を OS のリスク層別化について初めて体系的に比較した。病理基盤モデル(FM)と多重インスタンス学習(MIL)手法を系統的に比較評価した。著者らの知る限り、このような比較評価は初めてである。The Cancer Genome Atlas(TCGA)の多施設の後ろ向きコホート 817 例を解析した。 組織のセグメンテーションとパッチ単位の選別を行ったあと、病理 FM と MIL の組み合わせ 77 通り(FM 11 種 × MIL 手法 7 種)を評価した。あわせて ResNet-50 のベースライン構成 7 通りも評価し、エンコーダーと MIL の構成は計 84 通りとなった。評価には、患者単位の 10 分割交差検証を用いた。注意機構の忠実性は、摂動に基づく評価で調べた。
結果:交差検証での一致指数(C-index)が最も高かったのは、UNI2 と MambaMIL の組み合わせであった(C-index = 0.77)。一方、時間依存 AUC は中程度にとどまった(12〜36 か月で 0.60〜0.61)。同程度の性能を示した組み合わせも複数あった。 Kaplan–Meier 解析では、高リスク群と低リスク群が有意に分かれた(ハザード比 2.90(95% 信頼区間 2.23〜3.76、ログランク P = 9.16 × 10⁻¹⁷))。OS 中央値は、高リスク群 16.6 か月(95% 信頼区間 15.0〜20.4)、低リスク群 63.5 か月(95% 信頼区間 43.9〜未到達(NR))であった。三分位で層別化すると、OS は 94.5 か月から 14.7 か月へと単調に短くなる勾配が確認された(P = 3.25 × 10⁻¹⁷)。WHO 2021 の各型の中では、リスク層別化は有意でなかった。 領域特化型 FM の大半は、ImageNet で事前学習したベースラインより性能が高かった。また、注意の高いパッチを除くと性能が低下した。この結果は、注意機構の忠実性を支持する。
結論:AI で導いたリスクスコアは、個々の臨床変数や分子変数で調整しても OS との関連が保たれた。しかし、すべての変数を調整したモデルでは、独立した予後予測能は示されなかった(ハザード比 1.32(95% 信頼区間 0.94〜1.85、P = 0.104))。また、その識別能の大部分は WHO 2021 の型の違いを反映している。この比較評価の枠組みは、生存予測を目的とする計算病理学で FM-MIL を設計する際の指針となる。臨床応用の前に、外部検証が必要である。
掲載誌の IF 相当:5.3(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-07 時点の値、2026-10-08 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:Innani S, Pitarch-Abaigar C, Majeed MM, Harmsen H, Bell WR, Makris D, et al. AI-Based Prognostic Risk Stratification of Adult-Type Diffuse Glioma Patients from H&E-Stained Slides. Cancers. 2026 Oct 9;18(20):3259. doi:10.3390/cancers18203259.確認の範囲:抄録のみ確認
卵巣がんの治療・治験とAI
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子宮体がんの治療・治験とAI
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胃がんの治療・治験とAI
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肝臓がんの治療・治験とAI
- Multiparametric MRI habitat radiomics and longitudinal dynamic clinical parameters predict TACE refractoriness in HCC抄録(全訳)
肝細胞がん(HCC)の治療戦略を最適にするには、肝動脈化学塞栓療法(TACE)への不応を予測することが重要である。しかし、そのリスクを正確に評価するのはまだ難しい。初回治療への反応は、画像と臨床指標でとらえられる。この反応には腫瘍が本来もつ治療感受性が表れており、長期的な不応を予測するうえで大きな価値がある。本研究では、初回TACE後の治療効果のばらつき(不均一性)を評価した。それをもとに、TACEを繰り返した後の不応を予測するマルチモーダルのノモグラムを作った。
マルチパラメトリックMRIの空間的ハビタットラジオミクスで、画像上で区別される3つのハビタット(領域)を特定した。それぞれの信号パターンは、融解壊死、生き残った腫瘍、凝固壊死に似ていた。ハビタット特徴と従来のラジオミクス特徴を合わせ、8種類の機械学習アルゴリズムで解釈可能なラジオミクススコアを作った。次に、このスコアに経時的に変化する臨床指標を組み合わせ、臨床・ラジオミクス統合ノモグラムを作った。このノモグラムの曲線下面積(AUC)は、訓練コホートで0.924、内部検証コホートで0.860、外部検証コホートで0.864であった。
以上の結果から、ハビタットラジオミクスと臨床指標の経時変化を組み合わせると、その後のTACE不応のリスクを層別化しやすくなる可能性が示唆される。層別化を行う時点は、初回TACEの後で、反復治療の前である。初回の TACE 後、反復治療の前に、その後の TACE 不応のリスクを層別化できれば、早期の治療効果判定や個別化した臨床判断の支えになりうる。
掲載誌の IF 相当:5.2(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-04 時点の値、2026-10-05 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:Liu JK, Gu YQ, Sun QA, Chang JH, Zhao J, Liu YB, et al. Multiparametric MRI habitat radiomics and longitudinal dynamic clinical parameters predict TACE refractoriness in HCC. Sci Rep. 2026 Oct 9 [Epub ahead of print]. doi:10.1038/s41598-026-74555-8.確認の範囲:抄録のみ確認 - A deep-learning pipeline to assist portal vein identification during laparoscopic ultrasound scanning for anatomical liver resection in real time抄録(全訳)
肝細胞がん(HCC)の解剖学的肝切除では、術中に門脈の解剖を正確に同定できるかどうかが大きく左右する。術中超音波(IOUS)は、肝臓の手術中にリアルタイムで血管をたどるゴールドスタンダードとされている。それでも、区域ごとの門脈枝を見分けるのは技術的に難しく、術者の経験に大きく左右される。人工知能(AI)で超音波画像の読影を支援すれば、術中の血管認識の効率と一貫性が上がる可能性がある。ただし、これまでの研究の多くは静止画像の解析にとどまり、実際の手術でリアルタイムに使われてはいなかった。
本研究の目的は二つある。一つは、腹腔鏡下術中超音波で特定の門脈枝を自動認識する深層学習パイプラインを、YOLOv5をもとに開発・評価することである。もう一つは、解剖学的肝切除中にリアルタイムで運用できるかを検討することである。HCCに対して解剖学的肝切除を受けた連続100例から、腹腔鏡下術中超音波画像3254枚を後ろ向きに収集した。画像には、経験豊富な肝胆膵外科医が手作業で注釈を付けた。注釈付きデータは、患者単位で訓練・検証・テストの独立したコホートに分けた(それぞれ80%、15%、5%)。最終的なYOLOv5モデルは、あらかじめ定めた右側の門脈5クラス(P58、P67、P6、P7、P8d)で訓練した。20例の前向きリアルタイム検証でも、この5クラスモデルを再訓練やクラス変更なしにそのまま使った。
独立したテストデータセットでの平均適合率([email protected])は0.941であった。F1スコアは信頼度閾値0.202で最大の0.58となった。適合率は信頼度閾値0.764で1.00に達した。フレーム単位の枝別正解率は、P58で0.81、P67で0.81、P8dで0.80、P7で0.79、P6で0.78であった。前向きの術中検証では、システムは連続してリアルタイムに認識を続け、処理の遅延は1フレームあたり50 ms未満であった。
このパイプラインにより、腹腔鏡下術中超音波中に選択した右側門脈5クラスをリアルタイムに認識できる技術的実現可能性が示された。一般化できるか、臨床で役立つかを確かめるには、さらなる多施設研究が必要である。その研究では、より広い解剖範囲を対象にし、より大きな前向きコホートを使う必要がある。
掲載誌の IF 相当:3.5(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-10 時点の値、2026-10-11 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:Xu J, Zhang X, Li S, Wei Y, Huang S, Cao L, et al. A deep-learning pipeline to assist portal vein identification during laparoscopic ultrasound scanning for anatomical liver resection in real time. Eur J Med Res. 2026 Oct 9 [Epub ahead of print]. doi:10.1186/s40001-026-05291-y.確認の範囲:抄録のみ確認
腎臓がんの治療・治験とAI
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膀胱がんの治療・治験とAI
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