AIと神経難病・神経免疫疾患 ── パーキンソン病 ── 2026-10-16
パーキンソン病・パーキンソン症候群の治療・治験とAI
- Accuracy of Machine Learning in Differential Diagnosis of Multiple System Atrophy: A Systematic Review and Meta‐Analysis抄録(全訳)
**背景**
多系統萎縮症(MSA)は、パーキンソン病(PD)や進行性核上性麻痺(PSP)と誤診されることが多い。そのため、診断が大きな課題になっている。
**目的**
MSA を他の神経変性疾患と見分ける機械学習(ML)の有効性を、系統的に評価した。
**方法**
PubMed、Embase、Cochrane Library、Web of Science を 2025 年 7 月 5 日まで系統的に検索した。対象は、ML で MSA を診断した研究である。バイアスのリスクは QUADAS-2 で評価した。診断の指標は、二変量混合効果モデルで統合した。
**結果**このうち 38 研究を定量的な統合に用いた。残る 13 研究は定性的にまとめた。
主解析では MSA と PD を比べた。統合感度は 0.86(95% 信頼区間 0.81〜0.90)、特異度は 0.87(95% 信頼区間 0.83〜0.90)であった。統合受信者動作特性(SROC)曲線の曲線下面積(AUC)は 0.93(95% 信頼区間 0.90〜0.95)であった。
全体の統合感度は 0.85(95% 信頼区間 0.82〜0.88)、特異度は 0.92(95% 信頼区間 0.89〜0.94)、AUC は 0.94(95% 信頼区間 0.92〜0.96)であった。
陽電子放出断層撮影(PET)を用いたモデルの性能が最も高かった(感度 0.90、特異度 0.96、AUC 0.97)。深層学習モデルの性能は他のモデルを上回った(感度 0.93、特異度 0.98、AUC 0.99)。
**結論**
PET や磁気共鳴画像(MRI)のデータを組み込んだ ML モデルは、MSA の診断で高い精度を示した。臨床で使えるようにするには、前向きの多施設共同研究による検証を優先すべきである。標準化した外部検証も優先すべきである。
掲載誌の IF 相当:2.0(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-15 時点の値、2026-10-16 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:Wang G, Nie C, Liu M. Accuracy of Machine Learning in Differential Diagnosis of Multiple System Atrophy: A Systematic Review and Meta‐Analysis. Movement Disord Clin Pract. 2026 Oct 14 [Epub ahead of print]. doi:10.1002/mdc3.70857.確認の範囲:抄録のみ確認 - MRI-based machine learning models for differentiating Parkinson’s disease and Progressive Supranuclear Palsy抄録(全訳)
**背景**
パーキンソン病(PD)と進行性核上性麻痺(PSP)は、どちらも神経変性疾患である。パーキンソニズムが中核の臨床像である点も共通する。通常の磁気共鳴画像(MRI)では、早期の PD と PSP はしばしば誤診される。そこで本研究では、PD と PSP を見分ける MRI ベースの機械学習(ML)モデルの精度を評価した。
**方法**
後ろ向き研究で、対象は計 96 例である(PD 32 例、PSP 32 例、健常対照 32 例)。T2 強調 FLAIR(T2W-FLAIR)画像で大脳基底核の領域を手作業で分割した。大脳基底核のうち、黒質(SN)、尾状核(CN)、被殻、淡蒼球(GP)、赤核(RN)、視床下核(STN)を手動で分割した。各領域からラジオミクス特徴量(RF)を抽出した。上位 20 の RF で ML モデルを訓練し、テストした。PD、PSP、健常対照(HC)を判別するモデルの性能指標を評価した。
**結果**
PD と PSP の判別では、SN の性能が一貫して最も高かった。検証したすべての ML モデルで、正解率、F1 スコア、曲線下面積(AUC)は 0.95〜1.00 であった。RN と STN でも、いくつかの ML モデルで正解率と AUC が 1.00 となり、ほぼ完全に分類できた。CN、被殻、GP の性能は中程度であった(正解率 38%〜85%)。分類器では AdaBoost の性能が安定していた。テストデータで AUC は最大 0.89、マシューズ相関係数(MCC)は最大 0.72 であった。
**結論**
SN、STN、RN の MRI ラジオミクスモデルで、PD と PSP を最も正確に分類できた。早期には見分けられない PD と PSP の診断の助けにもなる。
掲載誌の IF 相当:1.2(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-15 時点の値、2026-10-16 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:Khruomo VV, - P, Kadavigere R, Nayak K, Sampathila N, Pendem S, et al. MRI-based machine learning models for differentiating Parkinson’s disease and Progressive Supranuclear Palsy. F1000Res. 2026 Oct 13;15:1709. doi:10.12688/f1000research.190609.1.確認の範囲:抄録のみ確認