AIと神経難病・神経免疫疾患 ── パーキンソン病 ── 2026-10-17

パーキンソン病・パーキンソン症候群の治療・治験とAI
- Assessment of change in drug-induced parkinsonism in daily-life gait using vision-based machine learning抄録(全訳)
薬剤性パーキンソニズムは運動障害で、回復する可能性がある。ただし症状が目立たないこともあり、認知症の入所介護の場では経過を追いにくい。歩行をカメラ映像の機械学習で解析すれば、本人の負担にならずに長期間モニタリングできる可能性がある。服薬を変えた前後の経過も追える。
2 施設でコホート研究を行った。対象は、向精神薬を服用している認知症の入所者 61 人である。天井に設置したカメラで廊下を歩く様子を記録し、3 次元の身体姿勢に変換した。歩行 1 回ごとに、TabPFN 分類器で UPDRS-III 項目 29(歩行)の重症度を推定した。
抗精神病薬(AP)と抗うつ薬(AD)について、変更直後の減量・中止を評価した。減量・中止は「50% 以上の減量または中止」、変更直後は「変更後 0〜21 日」と定めた。これと 1 日平均の予測歩行重症度との関連を、線形混合効果モデルで調べた。対象は、その薬剤を一度でも使った参加者である。補足として、対応のある解析も行った。対象は両方の服薬状態で観察できた参加者で、参加者ごとの重みは等しくした。
混合効果モデルでは、AP の変更直後の減量・中止で予測歩行重症度が低かった(β = −0.127、P = 0.022)。AD の減量・中止では関連がなかった(β = −0.060、P = 0.210)。
重みを等しくした対応のある解析では、参加者平均の個人内変化に統計的な有意差はなかった。AP の平均変化は 0.031(95% 信頼区間 −0.114〜0.176、P = 0.653)だった。AD の平均変化は −0.021(95% 信頼区間 −0.098〜0.056、P = 0.575)だった。この結果は、薬への反応が個人ごとに異なることと矛盾しない。
映像によるモニタリングで、向精神薬を減らした期間の前後に起きた個人内の歩行の変動をとらえられた。ただし、結果は関連を示すにとどまる。服薬の判断にこのモニタリングを使うには、まず大規模な前向き研究が必要である。その研究では、服薬を変えた理由も記録する必要がある。
掲載誌の IF 相当:6.6(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-16 時点の値、2026-10-17 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:Filtjens B, Adeli V, Mehraban S, Sabo A, Taati B, Iaboni A. Assessment of change in drug-induced parkinsonism in daily-life gait using vision-based machine learning. PLOS Digit Health. 2026 Oct 15;5(10):e0001780. doi:10.1371/journal.pdig.0001780.確認の範囲:抄録のみ確認