特集 ── 2026-10-23
KPMG調査 アジア太平洋は自律型AIエージェント構築へ
KPMGがアジア太平洋の経営幹部540人を調査。多くの企業が自律型AIエージェントの構築段階へ
何が変わるか
KPMGの報告によると、アジア太平洋企業のAI活用は新しい段階に入った。2026年の第2四半期から第3四半期にかけて、多くの企業が動きを変えた。AIエージェントを複数部門へ広げる段階から、自律型AIエージェントを作る段階へ移った。自律型AIエージェントとは、自ら行動を起こし、独自に連携できるAIを指す。
経営・人事の担い手には、AIの扱い方を変えることが求められる。AIは道具として配るものから、権限と責任を設計する相手になる。KPMGによると、AIの出力に基づく経営判断の責任は最高幹部(C-suite)が負うと答えた企業が36%で、最多だった。前四半期の26%から増えた。人材面では、役割の再設計や「AIエージェント・シャドーイング」の導入が進む。後者は、専門家がエージェントと働く様子を社員が観察する研修である。
なぜ重要か
KPMGの報告では、AIへの期待は高いが、自信は下がり始めている。AIの将来を確かなものにできると答えた企業は73%だった。3カ月前から7%低下した。KPMGはその理由として、電力費、人材確保、データや半導体の規制変化を挙げる。企業がAIの「請求書」に向き合い始めた可能性があるという。
一方で投資は続いている。71%の企業が、景気後退が来ても今後12カ月はAIを最優先投資に据えると答えた。自律性の高いAIを入れる局面で、コストとリスクの管理が問われている。いま統治と人材の手当てを決めるかどうかが、成果を左右する段階にある。
報告の中身
KPMGの第3四半期AIパルス調査によると、エージェント型AIの導入が進んだ。エージェント型AIとは、自律的に作業をこなすAIを指す。アジア太平洋企業の67%がIT部門で導入しており、世界平均は69%だった。業務運営部門は55%、マーケティング・営業部門は46%だった。中国企業ではIT部門での導入が81%に達し、調査国で最も高かった。
KPMGは、AIを日々の業務に組み込んだ企業が27%だったとも伝える。世界平均の22%、前四半期の同地域の20%を上回った。リスク対策では、39%の企業が高リスク用途を特定した。そこではエージェントの自律的な判断を認めない。同じ割合の企業が、エージェントを社員の補助として位置づけ、研修を行っている。
課題も示された。KPMGによると、エージェント導入の最大の壁は2つある。技術スキルの不足と、AIのコストや経済性を理解する力の不足だ。どちらも同地域の4割超の企業に影響している。また、社員の専門知識不足でAIを使いこなせない企業は39%で、世界平均の35%を上回った。
誰が・どの範囲を
報告を出したのはKPMGで、2026年10月20日付で公表した。題名は「Asia Pacific firms are transitioning from scaling to building autonomous AI agents」である。KPMGの第3四半期AIパルス調査に基づく。
KPMGによると、調査対象は20カ国の経営幹部2,100人超である。うち540人がアジア太平洋の主要6市場から回答した。6市場は豪州、中国(香港特別行政区と台湾を含む)、インド、日本、韓国、シンガポールだ。業種の内訳は報告に記されていない。
なぜこの報告か
この報告は四半期ごとに行う調査の一部である。アジア太平洋企業がAIからどんな価値を得ているかを追っている。どこに投資し、何に悩み、AIエージェントをどう使うかも調べている。
KPMGは各数字を前四半期や第1四半期と比べて示している。AI活用が拡大段階からどこへ進んだかを見ることが主題である。報告の題名はその問いへの答えを示している。
どう調べたか
KPMGは、20カ国の経営幹部2,100人超への調査を基にしたと記している。うちアジア太平洋6市場の回答者は540人である。結果は割合で示され、前四半期や世界平均と比べられている。
調査の実施時期、質問の形式、回答者の選び方などは、報告に記されていない。個別企業の事例も示されていない。
要点
- KPMGによると、多くの企業がAIエージェントの拡大段階から自律型エージェントの構築段階へ移った。アジア太平洋企業の67%がIT部門でエージェント型AIを導入した。
- KPMGの調査では、39%の企業が自律判断を認めない高リスク用途を特定した。AI判断の責任は最高幹部が負うとの回答は36%に増えた。
- KPMGによると、技術スキルとAIのコスト理解の不足が4割超の企業の壁となっている。専門知識不足でAIを使いこなせない企業は39%だった。
結語
KPMGの調査は、アジア太平洋企業が自律型AIエージェントの構築に移ったと示した。一方で、自信の低下、人材不足、コストとリスクの課題も示された。経営・人事の担い手には、責任の所在と人材育成の設計が問われている。
引用と出典
“Between Q2 and Q3, most companies have moved from scaling AI agents across multiple functions to building autonomous AI agents that can initiate actions and coordinate independently.”(和訳)第2四半期から第3四半期にかけて、多くの企業は、AIエージェントを複数部門に拡大する段階から、自ら行動を起こし独自に連携できる自律型AIエージェントを構築する段階へ移った。── KPMG, 2026-10-20
“about 4 in 10 (39 percent) ASPAC companies identified high-risk use cases where autonomous agent decision-making is not allowed.”(和訳)アジア太平洋企業の約10社に4社(39%)が、自律型エージェントによる意思決定を認めない高リスクの用途を特定した。── KPMG, 2026-10-20
“36 percent (the highest response) ASPAC firms say that C-suite executives are to be held accountable.”(和訳)アジア太平洋企業の36%(最多の回答)が、最高幹部が責任を負うべきだと答えている。── KPMG, 2026-10-20
“39 percent of respondents in ASPAC say they are unable to use AI effectively due to insufficient staff expertise, compared to 35 percent globally.”(和訳)アジア太平洋の回答者の39%が、社員の専門知識が不十分なためAIを効果的に使えないと答えた。世界全体では35%だった。── KPMG, 2026-10-20
材料にした記事
- KPMG 20 Oct 2026
この特集は AI(Claude)が報告とその報道から書き、Jev(TypeSafe の判定モデル)と Gemini の裏取り、引用の逐語の照合を通したものです。