調査済み 72 / 72 ・ 最終確認 2026-09-23 JAEN
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世界の広告規制 / EU

European Union

EU の広告規制

当局: 欧州委員会/EMA / 根拠: 指令 2001/83/EC 第 VIII 編

  • 効能・効果の表現医薬品の広告のすべての部分は製品概要(summary of product characteristics)に記載された事項に適合しなければならず、広告は当該医薬品を客観的にその特性を誇張することなく提示して合理的使用を促すものでなければならず、誤導的であってはならない(指令2001/83/EC 第87条第2項・第3項)。指令は結果について加盟国を拘束するものであり、審査担当者が適用するのは国内実施法である。国内実施法の一例としてドイツの Heilmittelwerbegesetz(HWG、薬事広告法)を確認した。HWG第3条は誤導的広告を違法とし、とくに(1)医薬品等に有しない治療上の有効性又は作用を帰属させる場合、(2)成功が確実に期待できる、用法どおり又は長期に使用しても有害作用が生じない、当該広告が競争目的で行われていない、との印象を誤って生じさせる場合、(3)組成・性状、又は製造者等の人物・学歴・能力・実績について虚偽又は欺瞞的な記載をする場合を誤導とする。第3a条は承認義務のある医薬品で未承認のものの広告、及び承認の範囲外の適応・剤形に係る広告を違法とする。第4条第1項は、すべての医薬品広告に製薬企業の名称・所在地、医薬品の名称、組成、適応、禁忌、副作用、警告表示、処方箋医薬品の場合は「Verschreibungspflichtig」の表示を含めることを義務づけ、第4条第2項はこれらの記載が添付文書について定められた記載と一致しなければならないと定める。
  • 比較広告一般向けの医薬品広告には、当該医薬品を服用した効果が他の治療若しくは医薬品の効果より優れている又はこれと同等であると示唆する内容を含めてはならず(指令2001/83/EC 第90条(b))、すべての広告は製品概要に適合し誤導的であってはならない(第87条第2項・第3項)。これに加え、誤認惹起広告及び比較広告に関する指令2006/114/EC の本文を今回取得して確認した。同指令第1条はその目的を、事業者を誤認惹起広告から保護し、比較広告が許される条件を定めることとする(すなわち保護の名宛人は事業者である)。第2条(c)は「比較広告」を、明示的に又は黙示に競争者又は競争者の提供する商品・役務を特定する広告と定義する。第4条は、比較広告が比較に関する限り許されるのは次のすべてを満たす場合とする: (a)第2条(b)・第3条・第8条第1項及び指令2005/29/EC 第6条・第7条の意味で誤導的でないこと、(b)同一の需要を満たし又は同一の目的に向けられた商品・役務を比較すること、(c)価格を含み得る一以上の重要・関連・検証可能かつ代表的な特徴を客観的に比較すること、(d)競争者の商標・商号・その他の識別標識・商品・役務・活動・状況を信用毀損又は中傷しないこと、(e)原産地表示のある産品については同一の表示を有する産品に関するものであること、(f)競争者の商標・商号等又は競争品の原産地表示の名声を不当に利用しないこと、(g)保護された商標・商号を付した商品・役務の模倣品・複製品として提示しないこと、(h)事業者間、広告主と競争者の間、又は広告主と競争者の商標・商号・識別標識・商品・役務の間に混同を生じさせないこと。第7条は加盟国に対し、裁判所又は行政当局が広告主に事実主張の正確性の証拠の提出を求め(比較広告の場合は短期間での提出を求め)、提出がないか不十分な場合に当該事実主張を不正確とみなす権限を与えるよう求める。
  • 副作用・安全性情報の記載処方又は調剤の資格を有する者に向けた医薬品広告には、製品概要に適合する必須の情報及び当該医薬品の供給区分を含めなければならず、販促資料に含まれるすべての情報は、正確・最新・検証可能で、受け手が当該医薬品の治療上の価値について自ら意見を形成できる程度に十分に完全でなければならない。
  • 一般向け広告の可否加盟国は、処方箋によってのみ入手可能な医薬品及び国際条約により向精神薬又は麻薬と定義される物質を含む医薬品について、一般向けの広告を禁止しなければならず、その組成及び目的からみて医師の関与なしに使用されることを意図・設計された医薬品は一般向けに広告することができる。
  • 医療従事者向けの資材処方又は調剤の資格を有する者に向けた広告には製品概要に適合する必須情報と供給区分を含めなければならず、販促資料には作成日又は最終改訂日を記載し、医学雑誌その他の学術文献から引用した文章、表その他の図表は忠実に再現して正確な出典を示さなければならない。
  • 事前審査・届出加盟国は医薬品広告を監視する適切かつ実効的な方法を確保しなければならず、その方法は事前審査(prior vetting)の制度に基づくものであってよい(指令2001/83/EC 第97条第1項)。販売承認取得者は、自社から発せられるすべての広告の見本を、その宛先・配布方法・初回配布日を示す記載とともに、広告監視を担当する当局又は機関のために保管し、又はこれに提供しなければならない(第98条第2項)。事前審査は義務ではなく加盟国の選択肢であるため、実際に事前審査が課されるかは国内法によって分かれる。今回、両方向の実例を国内資料で確認した。フランスは事前審査を採用しており、ANSM(国立医薬品・保健製品安全庁)は、処方箋の要否を問わずすべての医薬品について、医療従事者向け及び一般向けの販促資料のすべてが頒布前の事前審査(contrôle a priori)に服すると公表し、適合が認められた場合に「visa de publicité」という事前許可が付与され、認められない場合は申請が拒否されると説明している。これに対しドイツの Heilmittelwerbegesetz には事前審査の規定が一切なく、同法の統制は第14条の刑罰・第15条の過料と競争法上の差止めによって事後的に行われる。
  • デジタル・SNS指令2001/83/ECは第86条(1)において医薬品の広告を、医薬品の処方・供給・販売又は消費の促進を目的とするあらゆる形態の戸別訪問による情報提供、勧誘活動又は誘引と、媒体を限定せずに定義しており、第86条から第100条にデジタル又はソーシャルメディアに固有の規定は置かれていない。
  • 執行・罰則加盟国は、実際の損害の発生や広告主の故意・過失の証明がなくとも、誤導的広告の中止を命じ、又はいまだ公表されていないが公表が差し迫っている場合にはその公表の禁止を命じる権限を裁判所又は行政当局に付与しなければならず、第8編を実施する国内規定に違反した場合に科される罰則を定めなければならない(指令2001/83/EC 第97条第2項〜第4項及び第99条)。同趣旨の権限は指令2006/114/EC 第5条にも置かれ、同条第1項は加盟国に対し、誤導的広告と闘い比較広告に関する規定の遵守を確保する適切かつ実効的な手段を確保すること、及び正当な利益を有すると国内法上認められる者又は団体が提訴し又は行政当局に申し立てることができる法規定を設けることを求め、第3項は損害や故意・過失の証明がなくとも中止命令・差止命令を出せる権限を求め、その手続を暫定的又は確定的効果をもつ迅速な手続とすることを求め、第4項は最終決定の全部又は一部の公表及び訂正声明の公表を命じる権限を認め、第6項は当該権限が専ら行政当局により行使される場合には常に理由を付し、司法審査の手続を設けることを求める。罰則の水準はEU法ではなく各加盟国が定める。国内実施法の一例としてドイツの Heilmittelwerbegesetz を確認した。HWG第14条は誤導的広告の禁止(第3条)に違反した者を1年以下の自由刑又は罰金刑に処し、第15条第1項は第3a条・第4条・第5条・第6条・第7条・第8条・第9条・第10条・第11条・第12条・第13条の各違反を秩序違反行為とし、第15条第2項は過失による第3条違反を秩序違反行為とし、第15条第3項は第1項の秩序違反に5万ユーロ以下、第2項の秩序違反に2万ユーロ以下の過料を定める。第16条は第14条の犯罪又は第15条の秩序違反に係る広告資材等の没収を認める。

補足 ── 当方未検証

下記は 提供文書『世界の医薬品広告規制、承認内外の境界を読み解く』(2026-09-23) に記載のある内容です。出典の記載はありますが、当方で原典に当たって確かめていません。上の検証済みの記述とは区別してお読みください。

  • 第86条(2)は『特定の質問に答えるために必要な通信』を広告の定義から除外し、これがEU法下での反応的な情報流通の一般的根拠となる。
各ますは 要約・出典・確認日 を一組で持ちます。出典を確かめられていない論点は「未調査」のままにしてあり、それらしい文を置いていません。指令や法令は結果について加盟国・事業者を拘束するもので、実務で適用されるのは各国の国内法です。本サイトは調査の手がかりであり、法的助言ではありません。