世界の広告規制 / スイス
スイス の広告規制
当局: Swissmedic / 根拠: 治療用製品法(HMG)/医薬品広告令(AWV)
- 効能・効果の表現専門家向け広告のすべての記載はスイスメディックが最後に承認した医薬品情報と一致していなければならず、承認された効能・使用法のみを広告でき、記載は正確・均衡・客観的に正しく立証可能で誤解を招いてはならず、最新の科学的知見に基づいてこれを反映しなければならない(一般向け広告にも同じ一致の要請がかかる)。
- 比較広告他の医薬品との比較に関する記載は、科学的に正確であり、かつ第5条第5項の要件を満たす同等の臨床試験またはデータ収集に基づく場合にのみ許され、ヒト用医薬品についてin vitroまたは動物実験に基づく試験を比較に用いる場合はその旨を明示しなければならない。
- 副作用・安全性情報の記載広告には少なくとも、使用制限・望ましくない作用・相互作用の要約を含めなければならず、あわせて製剤名、有効成分の略号名、承認取得者の名称と住所、少なくとも一つの効能または使用法と用量・投与方法、交付区分、詳細は公表された医薬品情報を参照すべき旨を記載しなければならない。
- 一般向け広告の可否一般向け広告は、処方箋によってのみ交付される医薬品、麻薬・向精神薬を含む医薬品、その組成と用途からみて医師の関与なしには診断・処方・治療に用いられない医薬品、および濫用されやすくまたは習慣性・依存性を生じうる医薬品については禁止されており、政令上は交付区分C・D・Eの医薬品と州が承認した医薬品にのみ認められる。
- 医療従事者向けの資材専門家向け広告の名宛人は、処方・交付・使用の権限の範囲内にある医師・歯科医師・獣医師・カイロプラクター、薬剤師、ドロギスト、HMG第24条・第25条のその他の者及びVAM第52条第2項の者に限られ、広告にはAWV第6条の必須記載事項をすべて備えなければならない(AWV第3条・第4条・第6条)。贈与・接遇については、旧AWV第11条が2020年1月1日をもって『治療製品分野における誠実性及び透明性に関する条例』(VITH、SR 812.214.31、2019年4月10日制定)に移されており、今回この条例の本文を確認した。VITH第3条第1項は、HMG第55条第2項(a)にいう「僅少な価値の便益」として、医学的又は薬学的実務に関係するものであって1人の専門家につき年間合計300フラン以下のものを許容し、第2項はその「関係する」の意味を、専門家の職業活動と直接の関連があるか又は専門家の顧客に直接に資することと定める。第3項は懸賞の賞品等を、僅少な価値かつ実務に関係するものであること、AWV第3条の専門家向け広告の名宛人に限って行われること、及び処方薬の購入と結びつけられていないことを条件に許す。第4条は研究・教育・インフラへの支援金について、専門家個人ではなく雇用組織に対するものであること、使途を記した書面合意に基づくこと、目的外に使用しないこと、特定の処方薬の処方・交付・使用・購入に関する条件を付さないこと、専門家が単独で処分できない組織の専用口座に振り込むこと、組織の会計に計上することを求める。第5条は専門家の研修・継続教育への支援金に第4条(a)〜(f)と同じ要件を課し、組織が研修の種類・選定及び参加者を独立に決定しなければならないとする。第6条は研修・継続教育の催しへの参加支援について書面合意を求め、参加者本人又は雇用組織が自己負担(Selbstkostenbeitrag)として、継続教育(Fortbildung)は参加費・往復旅費・宿泊及び飲食・付随プログラムの費用の3分の1以上、専門研修(Weiterbildung)は5分の1以上を負担すべきものとし、自己負担の全部又は一部の払戻し、休業損失等の間接費用の負担、催しの専門部分に比して明らかに従属的とはいえない付随プログラムの費用負担、及び同伴者(同伴者自身が専門家である場合を含む)の旅費・宿泊・飲食・付随プログラム費用の負担を禁じる。第7条は同等の対価に対する報酬について、給付と報酬の種類・範囲を記した書面合意に基づくことと給付に相応する額であることを求め、専門的な面談の枠内での飲食費は100フランまで書面合意の義務を免除する。
- 事前審査・届出スイスには全面的な事前審査制度は無く、事前認可が必要なのは、医薬品情報に濫用または依存の可能性が記載されている鎮痛薬・睡眠薬・鎮静薬・下剤・食欲抑制薬について第15条aおよびcの形態で行う一般向け広告に限られ、加えてスイスメディックは、広告規定に重大または反復して違反した承認取得者に対し、相当な期間すべての広告案を事前に提出させることができる。
- デジタル・SNS専門家向け広告をインターネット上で公衆がアクセスできる状態に置いてはならず、適切な技術的かつパスワードで保護されたアクセス制限を設け、AWV第3条に定める者にのみ提供しなければならない(AWV第5a条)。AWV本文にはソーシャルメディア・インフルエンサー・検索広告に固有の規定は置かれていないが、Swissmedic はこの点について公開のFAQ(Internetrichtlinie – Social Media)で運用を示している。同FAQによれば、医薬品広告とは、医薬品の処方・交付・販売・消費又は使用を促進することを目的とする情報提供・市場開拓・誘因創出のすべての措置をいい(AWV第2条(a))、HMG及びAWVの広告規定はすべての広告手段に及び、ソーシャルメディア上の医薬品広告にも同じく及ぶ。一般向け広告の適用範囲は広く定義されているため、製薬業界だけでなく、特定の医薬品について広く公衆に向けて広告を行うすべての行為者(例としてインフルエンサーや報道関係者も含む)が医薬品法上の広告規定の名宛人となり得る。したがって処方箋医薬品のインターネット広告には適切な技術的かつパスワードで保護されたアクセス制限を施し、AWV第3条の専門家にのみアクセスさせなければならない。広告では医薬品が医薬品であると一義的に識別できるよう、必須の注意表示その他の記載(販売承認取得者を含む)をAWV第16条第3項・第5項及び第17条に従って付さなければならず、閲覧者がリンクをたどらなくても直ちに、それが栄養補助食品・化粧品・食品ではなく医薬品であると分かるようにしなければならない。さらに同FAQは、一般向け広告が他の治療又は他の医薬品と同等以上の効果を期待させてはならないこと(AWV第22条(c))、及び医学・薬学の素人の証言又は推奨に言及し若しくはこれを援用してはならないこと(AWV第22条(g))を根拠として、投稿に対して Like・Share・Comment の各機能が有効になっており、その結果として医薬品が評価され、体験談や推奨を付され、拡散され得る状態にある場合、ソーシャルメディア上の医薬品広告は許されないと述べる。
- 執行・罰則スイスメディックは違法な広告媒体を差し押さえ・公的保管・廃棄し、その使用を禁止して当該禁止を責任者の費用で公表することができ、広告規定に重大または反復して違反した場合には特定の医薬品の広告を一時的または恒久的に禁止して同様に公表でき、広告規定への故意の違反は5万フラン以下の罰金(業として行った場合は罰金刑、過失の場合は2万フラン以下の罰金)に処せられる。
補足 ── 当方未検証
下記は 提供文書『世界の医薬品広告規制、承認内外の境界を読み解く』(2026-09-23) に記載のある内容です。出典の記載はありますが、当方で原典に当たって確かめていません。上の検証済みの記述とは区別してお読みください。
- AWV は英国 reg 7(3)(c) に相当する明文の除外規定を持たない。業界自主規制 Pharmakodex 第26.2項が『未承認の医薬品・新適応について informieren はできるが werben はできない』と定め、これが事実上の安全港となる。
各ますは 要約・出典・確認日 を一組で持ちます。出典を確かめられていない論点は「未調査」のままにしてあり、それらしい文を置いていません。指令や法令は結果について加盟国・事業者を拘束するもので、実務で適用されるのは各国の国内法です。本サイトは調査の手がかりであり、法的助言ではありません。