AIが動かす雇用と心の境界線
AIは、人を減らす手段として使われながら、若手を採り直す理由としても語られている。同じ技術が、悩みを打ち明ける相手としても使われ、そこでは専門家が限界を指摘している。資金は高金利の下でも流れ続け、供給は当面止まりそうにない。CBREのオフィス需要の予測や、船員がAIに相談しているという報道は、一見すると別々の話に見える。だが、どちらも人の居場所がAIによって組み替えられている場面である。この半日で確かめたいのは、導入の恩恵と限界を同じ場面に並べて見たとき、何が判断の材料として残るのかということだ。
CBRE(シービーアールイー)は、AIによる人員削減の影響でアジア太平洋のオフィス需要の伸びが鈍るとの予測を示した(Startup Fortune)。働く人が減れば、必要な床面積の見通しも下がるという筋道だ。雇用の変化は、採用や給与の話にとどまらず、不動産の計画にまで及び始めている。Entrepreneurは、AIがすでに解雇の最大要因になったと伝えている。人員削減が、導入の副次的な結果から、解雇理由の筆頭へ移ったことになる。
ただし、同じ媒体は別の面も伝えている。AIによる解雇は、起業の足がかりにもなっているという(Entrepreneur)。企業側にも逆向きの動きがある。AIが進歩しても、企業は若手人材の採用を再び積極化させる方向だという(Mezha)。削る動きと採り直す動きが、同じ時期に同じ市場で進んでいる。
学びの場への投資も続いている。Microsoftは、アイルランドのデータセンターに隣接する土地に、100万ユーロを投じた教育拠点をつくる(Microsoft Source)。計算資源を置く土地のそばに、人を育てる場所を設ける形だ。人を減らす技術の設備が立つ場所で、人を育てる投資が行われている。

