AIとヘルスケア 最新ニュース ・ 🇯🇵 日本の健康とAI
読売新聞 · 11/03 20:00 UTC

東京大とNTTグループは、5~15年後に糖尿病や高血圧症のリスクが高まる可能性を健康診断のデータで予測するシステムを開発した。約12万人分の健診データを基にAIで分析し、結果を確率で示す。
東京大学とNTTグループが、健康診断の結果を入力すると、5年後・10年後・15年後に糖尿病や高血圧症などのリスクが高い状態になる確率を示すAIシステムを開発した。グループの社員約12万人分の健診データを学習に使っている。すでに試作版が社内で使われ、先月からは他の約10社でも健診での活用が始まった。
システムを作ったのは、東大医科学研究所の鈴木亨特任教授(循環器内科)らのチームだ。NTTグループの社員約12万人について、血糖や血圧などの健診情報を平均17年分、本人の同意を得て提供してもらい、AIで分析した。
利用者が健診結果を入力すると、糖尿病、高血圧症、脂質異常症のそれぞれについて、5・10・15年後にリスクが高い状態になる確率が出る。確率が年ごとにどう変わるかはグラフで示され、スマートフォンやパソコンで見られる。
予測だけでなく、結果に応じて運動や食事の見直しを提案する機能もある。想定されている使い方は、保健師が画面を参考にしながら、利用者に生活習慣の改善や受診を勧める場面だ。
鈴木特任教授は、健診結果が基準値に収まっている人にも、年齢を重ねるとリスクが上がることを示せると述べている。そうすれば保健師の指導に説得力を持たせられる、という考えだ。
健診で「異常なし」と言われると、生活を変える動機は生まれにくい。将来の確率を数字で見せることで、いまは問題がない人にも行動を促せるかどうかが、この仕組みの狙いと読める。
一方で、確率はあくまで見込みであり、結果の受け止め方次第で安心しすぎたり、必要以上に気にしたりすることもありうる。そのため、保健師など専門職が説明を添える使い方が前提になっているのだろう。
開発は内閣府の助成を受けて進められ、試作版は昨年5月からNTTグループ内で使われてきた。チームは今後、予測の精度の検証を進めて普及を目指すとしている。
学習データは同じグループの社員が中心なので、年齢や職種、働き方の異なる人にどこまで当てはまるかは、記事からは分からない。他社での利用が広がる中で、その点がどう確かめられるかが関心を集めそうだ。
将来の病気の確率を知らされたら、あなたは生活を変えますか。