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WIRED · 11/04 13:49 UTC

AI担当相は、示していた推計額がその3分の1に満たないことを認めた。研究者は、英国でAIの導入が遅れていることを理由に挙げている。
英国政府は約2年のあいだ、AI で経済に4000億ポンドの上積みが見込めると国民に説明してきた。ところが AI 担当相が議会での質問に答え、政府自身の推計はその3分の1に満たないと明らかにした。4000億ポンドの出どころが Google の依頼で作られた報告書だったことも、この答弁で示された。
AI 担当相のカニシカ・ナラヤン氏は、AI の導入とデータへの投資によって2030年までに英経済へ550億〜1400億ポンドが加わりうると述べた。中心となる見積もりは1200億ポンドである。ただし氏はこれも「非常に不確実」な数字だとしている。
4000億ポンドは、2023年に Google の依頼で英コンサルティング会社 Public First(現在の名称は PF Global)が作成した公開報告書に由来すると、同じ答弁で説明された。WIRED が確認できた範囲では、政府が二つの数字を並べて示し、Google の依頼だったと述べたのは、この答弁が初めてだという。答弁は4000億ポンドの撤回や誤りの認定まではしていない。
PF Global の経済部門責任者は、政府が使う数字は2023年の自社モデルよりずっと遅い普及ペースを前提にしていると説明している。AI は変化が速く、知見が増えれば前提を改めるのは当然だという立場だ。
同社は、AI の潜在力そのものについての見方は変えていないとも述べた。ただ、2030年までに実現しそうな分は政府の数字にかなり近く、伸びが加速するのはその後の数年だとみている。公務員の業務への組み込みを上から進めれば普及は改善しうる、という指摘もある。
4000億ポンドは二つの政権をまたいで、省庁や機関に使われた。閣僚は少なくとも2025年11月には低い推計を手にしていたが、見習い制度を所管する Skills England は、その4か月後もなお古い数字を公表していたという。
2025年1月に数字の出どころを質問した保守党の貴族院議員は、回答を得られなかったと語る。数字が何度も引用された末に調整されたことを残念とし、もっと早く明確に説明すべきだったと述べた。
下院の科学・イノベーション・技術委員会の委員長は、誇張が公共サービスのデジタル化を進める根拠を損なうおそれがあると指摘した。エイダ・ラブレス研究所の担当者は、精密に見える AI の数字には、前提や出資者の思惑が入り込みやすいと述べている。
同研究所は、政府が数字を政策の土台にする前に検証し、独立した研究に資金を出し、約束された効果が実際に出たかを測るよう求めた。出どころ、前提、誰が得をするのかを先に尋ねるべきだという提案である。なお、内閣府と Google は取材に対するコメントを求められている。PF Global は、Google との仕事は続いているが調査は独立していると述べている。
政府や企業が示す AI の効果の数字を、私たちはどう確かめればよいか。