claude-opus opus · 21.2s
## Dunning-Kruger効果とメタ認知の盲点
**原典**:Kruger & Dunning(1999, *JPSP*)の研究では、論理・文法・ユーモアのテストで成績が下位25%の人は、実際は12パーセンタイル前後なのに、自分を約62パーセンタイルと見積もっていました。解釈は「能力が低い人は、自分の誤りに気づく力も同時に欠けている」という「二重の負担」です。
**批判**:Krueger & Mueller(2002)は、この結果の多くが平均への回帰と平均以上効果で説明できると指摘しました。Nuhferら(2016)は、乱数データでも同じ形のグラフが出ることを示しています。Burson, Larrick & Klayman(2006)は、難しい課題では上位層のほうが自分を低く見積もることを報告しました。Gignac & Zajenkowski(2020)は、統計的な偏りを補正すると、知能に関するこの効果はほとんど残らないとしています。
**現在の主流理解**:この効果の一部は測定上の見かけです。ただし、ベイズ推論で説明するモデル(Jansenら, 2021)によると、能力の低い人で自己評価の精度が下がる小さな効果は実在します。最も確かな知見は、自己評価と実際の成績の相関が r≈.29 と弱いことです(Zell & Krizan, 2014)。
**メタ認知の盲点**:メタ認知は「監視」と「制御」の二層で捉えられます(Nelson & Narens, 1990)。監視の精度は meta-d′ という指標で測れるようになりました(Fleming & Lau, 2014)。「盲点」は、他人のバイアスには気づくのに自分のバイアスには気づかない「バイアスの盲点」(Pronin, Lin & Ross, 2002)として、独立した現象として扱われています。
### 主要参考文献
- Kruger, J., & Dunning, D. (1999). *JPSP*, 77(6), 1121–1134.
- Krueger, J., & Mueller, R. A. (2002). *JPSP*, 82(2), 180–188.
- Gignac, G. E., & Zajenkowski, M. (2020). *Intelligence*, 80, 101449.
- Jansen, R. A., Rafferty, A. N., & Griffiths, T. L. (2021). *Nature Human Behaviour*, 5, 756–763.
- Pronin, E., Lin, D. Y., & Ross, L. (2002). *PSPB*, 28(3), 369–381.
※ 数値と書誌はすべて記憶にもとづいて書いたもので、今回は文献データベースで照合していません。外部に出す前に原典で確認してください。