AIとがん研究 ── 乳がん ── 2026-10-08

乳がんの治療・治験とAI
- Artificial Intelligence for Prediction of Breast Cancer-Related Lymphedema: A Systematic Review.抄録(全訳)
背景:乳がん関連リンパ浮腫(BCRL)は、生活の質と身体機能を損なう。予防的な介入のためには、早期発見が重要である。人工知能(AI)モデル、とくに機械学習と深層学習は、BCRL の予測と個別のリスク層別化を改善できる可能性がある。本システマティックレビューでは、BCRL の予測への AI の応用を評価した。データが得られた場合には、報告された性能を従来の診断法や AI を用いない方法と比べてまとめた。
方法:「システマティックレビューとメタアナリシスの優先報告項目(Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses)」ガイドラインに従った。2024 年 7 月に、MEDLINE、EMBASE、Cochrane Library、Google Scholar で文献を検索した。検索には、乳がん、リンパ浮腫、AI に関するキーワードを用いた。事前に定めた組み入れ基準と除外基準で、関連する研究をスクリーニングして選んだ。解析用に、正確度、感度、特異度などの性能指標を抽出した。
結果:2018〜2024 年の 7 研究(患者 5284 例)を組み入れた。BCRL の分類性能を報告した研究は 5 件だった。これらでの AI モデルの正確度は 81%〜93.75%(平均 87.2%)であった。平均感度は 85.5%、平均特異度は 87.6% だった。よく報告された予測因子は、体格指数(BMI)が高いこと、リンパ節病変が多いこと、化学療法または放射線療法を受けたことであった。一部の研究では、若年と術前化学療法が、予測リスクの高さと関連していた。
結論:AI は、BCRL の早期発見とリスク層別化に有望である。ただし、現在のモデルはまだ探索的な段階で、臨床で確立したものではない。症例数の少なさ、データの不均一性、外部検証の欠如、較正(キャリブレーション)の不一致が課題である。臨床に取り入れる前に、次のものが必要である。より大規模な多施設データセット、評価方法の標準化、前向きの検証である。
掲載誌の IF 相当:1.2(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-07 時点の値、2026-10-08 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:[No authors listed]. Artificial Intelligence for Prediction of Breast Cancer-Related Lymphedema: A Systematic Review. Plast Reconstr Surg Glob Open. [Epub ahead of print]. doi:10.1097/GOX.0000000000008132; PMCID: PMC13641666.確認の範囲:全文を確認 - Explainable and Interpretable Artificial Intelligence for Predicting Neoadjuvant Treatment Response in Breast Cancer抄録(全訳)
本システマティックレビューでは、説明可能・解釈可能な人工知能(AI)モデルを検討する。対象は、乳がんの術前(ネオアジュバント)全身治療への反応を予測するモデルである。組み入れる研究は、次の 2 つを満たすものとする。1 つは、病理学的完全奏効(pCR)か、RECIST(固形がんの治療効果判定基準)で明示的に定義した奏効を予測していること。もう 1 つは、予測モデルに説明可能性・解釈可能性の要素を明示的に組み込んでいることである。検討するのは次の点である。モデルの開発と検証の方法、説明の評価方法、臨床での使用を支える根拠。
検索するデータベースは、PubMed/MEDLINE、Embase.com、Scopus、Web of Science Core Collection、IEEE Xplore である。期間は、各データベースの開始時点から最終検索日までとする。データベース側で、言語や出版年の制限はかけない。データベース検索に加えて、引用文献と被引用文献をたどる検索(後方・前方の引用検索)も行う。対象は査読付きの学術誌論文とする。早期公開版や印刷中(article-in-press)の論文も、内容が確定していれば含める。
2 名のレビュアーが、それぞれ独立に記録をスクリーニングし、全文を評価する。データ抽出は CHARMS(予測モデル研究のレビュー用データ抽出チェックリスト)に従う。研究の質、バイアスのリスク、適用可能性は、PROBAST+AI(予測モデル研究のバイアスリスク評価ツールの AI 版)で評価する。
統合では、次の項目を記述する。対象は、患者集団、治療、データの種類(モダリティ)、モデルの系統、説明手法、検証、較正、データ漏洩(リーケージ)対策、臨床応用に関する根拠である。pCR と RECIST で定義した転帰は、分けて統合する。統合は叙述的・記述的に行う予定で、メタアナリシスは事前に計画していない。
この登録は、承認済みのプロトコル(第 1.0 版、2026 年 9 月 30 日付)に沿っている。最終のデータベース検索は、登録後 7 日以内に行う予定である。2026 年 7 月 12〜21 日に、以前のスコーピングレビューのプロトコルで検索を行った。先行する範囲調査(スコーピングレビュー)の計画書で行った検索は、今回の計画書に置き換えられる。そこで得た記録や件数は、本レビューにも最終の PRISMA フロー図にも使わない。
掲載誌の IF:不明(照合できず)書誌:[No authors listed]. Explainable and Interpretable Artificial Intelligence for Predicting Neoadjuvant Treatment Response in Breast Cancer. Open Science Framework. [Epub ahead of print]. doi:10.17605/osf.io/dzkfe.確認の範囲:抄録のみ確認