AIとがん研究 ── 乳がん ── 2026-10-06

乳がんの治療・治験とAI
- Deep learning-based prediction of HER2 status from breast diffusion-weighted MRI抄録(全訳)
背景と目的 乳がんの診断と治療では、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)の状態を正確に分類することが非常に重要である。HER2の状態を見分ける現在のゴールドスタンダードは生検である。しかし生検は侵襲的で、時間もかかる。この欠点を補うため、新しい深層学習(DL)モデルを開発した。このモデルは拡散強調画像(DWI)だけを使い、乳がんのHER2陰性とHER2陽性を見分ける。 材料と方法 後ろ向き研究である。地元の2医療センターで乳がんと確定した女性患者239例を対象とした。畳み込みニューラルネットワーク(CNN)とTransformerを組み合わせたハイブリッド型のDLモデルを提案した。入力はDWIの画像で、見かけの拡散係数(ADC)マップ、b = 0 s/mm² のDWI画像、b = 800 s/mm² のDWI画像の3種類である。モデルはHER2陰性とHER2陽性のどちらであるかを分類して出力する。このモデルの分類を、ほかのベンチマークDLモデルと臨床専門家2名の分類と定量的に比べた。
結果:239例(平均年齢 49.4 ± 10.0 歳)のデータを3つに分けた。訓練セット(n = 156)、内部テストセット(n = 39)、外部テストセット(n = 44)である。内部テストセットでは、提案モデルの成績は最良のベンチマークDLモデルを数値の上で上回った。曲線下面積(AUC)は0.93対0.89、正解率は0.90対0.85だった。外部テストセットでも、提案モデルは最良のベンチマークモデルを数値の上で上回った。AUCは0.91対0.87、正解率は0.84対0.82だった。臨床専門家2名と比べると、提案モデルの成績は有意に高かった。AUCは0.91対0.65対0.63、正解率は0.84対0.61対0.57だった。
結論:DWIとDLを組み合わせ、乳がんのHER2の状態を分類する方法は有望であることが示された。このモデルは、非侵襲的な補助手段や意思決定支援ツールとして役立つ可能性がある。
掲載誌の IF 相当:2.7(OpenAlex の直近 2 年の平均被引用数・2026-10-02 時点の値、2026-10-03 に取得。正式な IF(Clarivate)ではない)書誌:Zhang Y, Kan X, Wang J, Peng J, Cai J, Ma Y, et al. Deep learning-based prediction of HER2 status from breast diffusion-weighted MRI. Front Oncol. 2026 Oct 5;16:1863720. doi:10.3389/fonc.2026.1863720.確認の範囲:抄録のみ確認